芦高~創立74年の伝統と創造の学舎

芦高オフィシャルブログにようこそ。
このブログの開設を機に、校長室の窓から見える芦高や芦高生の魅力をお伝えできればと思っています。
題して「校長室の窓から」です。
本校入学を希望する中学生の皆さんや保護者の皆さんにご覧いただくとともに本校へのご理解を一層深めていただければ幸いです。私が芦高生と共有している楽しい時間と思い出の一端を不定期にお伝えすることにします。

最初は芦高の紹介も兼ねて、私が創立記念日(10月14日)に芦高生に宛てたメッセージを紹介します。

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We are 芦高!”~創立74年目の創立記念日によせて~

芦屋川畔や岩園の丘辺に秋の心地よい風を感じる今日の佳き日に、兵庫県立芦屋高等学校74回目の創立記念日(10月14日)を迎えることができることを皆さんとともに喜びたいと思います。

これまで皆さんに本校の輝かしい古き良き伝統や歴史についてお話をする機会がなく、残念に思っていました。来年度は創立75周年の節目でもあるので、我が芦高の年史を紐解き、皆さんにこの紙面にてその一端を紹介します。また、これまで幾多の苦難を乗り越えてきた不撓不屈の精神の源流を再確認しつつ、芦高にこれまで以上の帰属意識(愛校心)を高めてもらえれば幸いです。

本校は、芦屋市制施行と同じ年の昭和15年、兵庫県立芦屋中学校として創立されました。芦屋中学時代は、戦時中であり、岩園尋常高等小学校の一部を仮校舎として出発し、その後、仮校舎の移転や空襲で校舎を焼失するなどの苦難の連続でした。しかし、施設・設備が不十分でも、志の高い教員と生徒が一丸となって、芦屋中学・高校の基礎をつくりました。その後、戦後の学制改革に伴い、昭和23年に兵庫県立芦屋高等学校が発足し、県立御影高等学校との交流で男女共学になり、今日に至っています。このように「生徒の自発的活動により美しい学風と伝統をつくるべきである」との信念のもとに今の芦高の原型が築かれたのです。

この間、阪神間の伝統校として、勉学、スポーツ、文化活動にと文武両道を志す芦高生で校内は活気にあふれていました。特に、野球部の活躍はめざましく、昭和23年から10年余りは本校の黄金時代で、春、夏の県大会で毎年のように優勝し、全国高校球児憧れの甲子園に何度も駒を進めました。ついには、昭和27年夏の大会で超高校級の植村投手、石本捕手を擁した本校は、全国制覇の快挙を成し遂げ、関係者のみならず兵庫県民がこぞって「自由なる自治活動の成果」ひいては「芦高教育そのものの結実」だと歓喜し賞賛しました。

また本校は、新制芦屋高校の草創期が源流となる「自治・自由・創造」の教育綱領を掲げ、芦高生の柔軟な発想力や想像力を尊重しつつ、自治力や論理的思考力などの社会人として不可欠な資質を養ってきました。そしてこの理想の精舎を巣立っていった28,000名を超える有為の人材は、国内外を問わずあらゆる分野で活躍しています。このことは一人ひとりの芦高生や教職員の努力の成果であることは言うまでもありませんが、PTA、同窓会(あしかび会)の諸先輩方、地域住民の方々のお力添えの賜でもあります。そんなすばらしい先達にあらためて感謝の意を捧げたいと思います。

さて最後になりましたが、現在の芦高生の皆さんが果たすべき重要な役割は、卒業生諸氏が、品位と誇りをもって培ってきた校風や伝統を継承しさらに発展させること。輝かしい歴史に彩られた芦高というキャンバスに新たな歴史を刻むべく、果てなき明日へ大きな翼を広げて力強く羽ばたくこと。そしてこれからも“We are 芦高!”の気概をもって、自治に裏打ちされた自由を楽しみ、夢を叶えるための一歩一歩を大切にして着実な歩みを続けることです。こんな私の願いを、いつも明朗で素直な芦高生に託し、未来永劫「名門芦高」の名声が轟き続けるよう、皆さんの不断の真摯な努力を期待して、創立記念日によせるお祝いのことばとします。

平成26年10月吉日
歴代校長を拝顔しながら校長室にて

学校設定科目「日本の文化」 能の授業を行いました!

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今回は西宮在住の能楽師梅若基徳先生をお招きして、能楽の授業を行いました。能についての講義ののち、剣道場に移動しての体験授業。謡の稽古では「高砂」を教材に、独特の節回しや発声方法を学びました。そして小面・般若・蝉丸などの能面をつけて舞台上での能楽師の視界を体験、最後にすり足、扇子さばきを教わりながら、舞に挑戦しました。

文責「日本の文化」担当者

学校設定科目「日本の文化」  夏休みメール連歌会

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連歌は、式目(ルール)に従い五七五と七七を多人数で詠みあげてゆく文芸で、世界に類のない詩の様式です。
「日本の文化」では、6月に平野法楽連歌の会(大阪市)より講師をお招きし、連歌の実作指導を頂きました。その後、7月から 夏休みをはさんで約4カ月間、授業担当者と受講生徒との間でメールをやり取りしながら、歌仙(三十六句)を巻きあげました。

学校設定科目「日本の文化」 平成26年度 夏休みメール連歌

賦何風連歌  【歌仙】                                                 尚文    捌

初折表                                                                                               連衆
初   夏      梅雨晴を待ち望みてや蝉の声      尚文
脇   夏        蚊帳にたはむる幼子の笑み                      レイ
三   秋   窓に入る月の光に照らされて         わかさ
四   秋     菊の香誘ひ秋風ぞ吹く                  陸哉
五   秋     雁がねの飛び行く先に山粧ふ          桐佳
六           心はやるは外つ国のこと                保乃佳
初折裏
一         故郷に別れを告ぐる汽笛の音         万優美
二           契りを結ぶ君に添ひたし              一輝
三           いかにせむあふるる思ひ止め処なく    愛璃
四           眠れぬ夜に浮かぶその顔           優
五   冬        木枯らしに吹かれて背中いとさびし        瑞穂
六           林を行けば古き御社                 侑香
七   夏      空高くありあけ月の影涼し            さつき
八   夏        雲間にそびゆ夏富士の峰             ののか
九           見渡せばうちかえす波広ごりて            智香
十     春      のどかな浜に小舟たゆたふ          尚文
十一春      春風に花吹雪舞ふ夕まぐれ           万優美
十二春      鶯鳴きて旅は終わりぬ               瑞穂
名残表
一   春        思ほへば門出も氷解くる頃             桐佳
二           ぬくもり求め足早にゆく                   侑香
三           ひとり夜に母の優しさ身に染みて       愛璃
四            こころ安らぎ涙ながるる                 さつき
五   秋     静々ともみぢ葉ぬらす秋時雨                  レイ
六   秋       石庭に満つ鈴虫の唄                                      優
七   秋    月のぼり仏のすがた映し出し            一輝
八   秋       隈なき空に乞ふ流れ星                     ののか
九            届かざる君への想ひいま乗せて               智香
十   冬       恋文書かば初雪の舞ひ                    保乃佳
十一冬     肌寒の暮れゆく街に灯はともり               わかさ
十二       上衣の裾を吹きあぐる風                陸哉
名残裏
一  夏     まちわぶと時鳥啼く山の関                桐佳
二  夏     滝のしぶきに旅路涼しき                   陸哉
三          朝ぼらけ里の出会ひはほのぼのと        ののか
四  春     日射しうららにてふの踊りて                   優
五  春     遠近にわれもわれもと花開き                レイ
六  春        ほのかにかすむ岩園の丘                        尚文

平成二十六年七月十日 起首
平成二十六年十月十日 満尾

文責 「日本の文化」担当者