平成26年度 高大接続推進事業 芦屋高校が指定!
数理科学研究部 教員志望の希望者 参加
目的
大学生と本校生徒の間で共通の課題を設定し、その課題に対する研究成果の発表、討論及び交流を通して、異年齢集団と協同して課題を解決する態度を育む。また、これらの課題解決に必要な思考力、表現力、コミュニケーション能力の育成を図り、大学での参加体験型学習を経験し、大学での教育資源(大学の図書館訪問)を活用することで、本校生徒の学習意欲を高める。
連携大学・学部 神戸大学 発達科学部
日程と主な内容
11月20日(第1回)
① 発達科学部図書館訪問、参考文献検索・調査
② 大学生との合同ゼミ(中間発表)
小学校算数の一単元「分数」に関する小学生への指導方法を研究
大学において中間発表、質疑応答・討論及び交流
1月15日(第2回)
【研 究 発 表 会】
●高校生発表・・・11月のゼミで指摘を受けた点を改善
●大学生・・・分数について研究発表+模擬授業
〈参加生徒の感想から抜粋〉
○高校生と大学生の思考の違い。私たちの気づくことのできなかった部分や見落としていたところ・考えきれなかったところまで詳しくアドバイスや指摘してくださったので、とても刺激を受けました。大学生の方は優しく、「大学生も勉強になった」と言ってくださったのですごく良かったと思います。自分たちだけの少しの意見でひとつの問題を解決するだけでなく、年代、普段自分たちがいる環境と違う人と意見交換することはとても有効だと思いました。
○小学校の算数は簡単そうに思えて突き詰めると複雑で、自分たちも深く理解しきれていなかったところが意外と多いことが分かりました。専門的に小学生への教え方を研究されている大学生の方からいただく意見はとても的を射たもので、とても良い機会をいただいたと思います。
自分たちが分かっているはずの「分数÷分数」を小学生に教えるとなると・・・「どこまで分かっている小学生なのか」「図を使うとどうなるのか」「ほかの方法はないのか」果ては、「自分たちも分かっていないところがあるのでは?」といろいろなことを考えた半年間でした。大学の「ゼミ」に本気で参加させていただくという貴重な体験をさせていただき、大変興味深く、またさらに数学が「おもしろい」と感じたようです。大学の先生、学生さん、お忙しいところ、本当にありがとうございました。
文責:数理科学研究部顧問
「あしたづ」原稿より抜粋
1回目のセッションでは私たちが考えた案を発表し、その時に大学生から頂いたアドバイスや改善点を反映させた案を2回目で発表しました。研究内容は以下の通りです。
第1案
まず割り算の定義を割る数は割られる数の答え個分として考えました。そのあとに整数÷整数、整数÷分数、分数÷分数の順に具体的な数値をいれて説明していきました。また、説明の際に画用紙を用いて説明しました.
案に対するアドバイス・改善点
・割り算の具体例が倍数になっているので例として不適切である
・教科書の文章題の場面と繋がりを持たせると◎
・小学生で習う包含除・等分除を説明し、そのうえで割り算の拡張を考えなければならない
改訂案の指針
・割合の概念を取り入れ、水槽に水を入れるということを具体例に用いて分数の割り算を説明する。
・包含除の考え方を用いて割り算を虫食い掛け算に帰着させ解く。
改訂案1
“お風呂に2分で1Lの水を貯めることが出来る蛇口があります。では1分では何Lの水を貯めることが出来るでしょうか”という例題を用いて、このような場合では割り算は
(貯められる水の量)÷(貯める時間[分])=(1分間で貯められる水の量)
というように考えられると確認する。
この考え方から図を用いて分数の割り算を説明する。
ただし逆数の存在を知っていることが前提である。
改訂案2
この案は第1案の延長であり、□÷△=○は□に△が○個分入るという考え方から、△✕○=□という式が成り立つということを確認する。つまり、割り算は虫食い掛け算に帰着することが出来る。