地歴科[日本の文化] 第十二回芦高連歌会(冬休み連歌)作品 

芦屋在住の歌人稲畑汀子さん(高浜虚子の孫娘)のお歌を発句に頂戴し、冬休み連歌会を張行しました。形式は半世吉(22句)、ルールは歌仙の式目を適用しました。                                             ( 文責:授業担当者 )

賦何路連歌    (半世吉)

初折表
一   山と海 つなぐ芦屋の 冬の川      汀子
二   凍る水面に 降れる初雪           裕佳
三   日のあたる 道にさそはれ 旅出でて  叶夢
四   気づけばたどる ふるさとの地       洋平
五   移りゆく もみじの色や 鮮やかに    玉緒
六   夕空に舞ふ 赤蜻蛉追ひ          朋花
七   月のぼる 幼き我を 照らしつつ          有加
八   微笑む母の おもかげ想ふ           裕佳

初折裏
一     夏探し 耳を澄ませば 聞こゆ声        尚志
二     ふうりん揺れて はこぶ涼しさ          彩希
三     ふと見れば 君の瞳の いとほしき     麗
四   届かぬ気持ち 雨にうたれて           尚志
五   千歳鳥 いづこへ行くや 跡しのび        朱乃
六        白き袖振る 神の使ひか            朋花
七   秋の雲   ちぎれちぎれて  漂ひぬ                菜美子
八   月が誘ふ 御寺への坂               悠乃
九  窓のそと 鈴虫鳴きて しみじみと        叶夢
十  刈り田に一人 立つ遠案山子          朋花
十一 いまははや 都離れて 幾歳か                   尚文
十二   向かふ峰峰 霞みたなびく             朱乃
十三 はらはらと 花散りそめて 暮れの春   裕佳
十四 ひかりのどかに そそぐ学舎           尚文

平成二十七年十二月十八日 起首
平成二十八年   二月  五日 満尾