芦屋在住の歌人稲畑汀子さん(高浜虚子の孫娘)のお歌を発句に頂戴し、冬休み連歌会を張行しました。形式は半世吉(22句)、ルールは歌仙の式目を適用しました。 ( 文責:授業担当者 )
賦何路連歌 (半世吉)
初折表
一 山と海 つなぐ芦屋の 冬の川 汀子
二 凍る水面に 降れる初雪 裕佳
三 日のあたる 道にさそはれ 旅出でて 叶夢
四 気づけばたどる ふるさとの地 洋平
五 移りゆく もみじの色や 鮮やかに 玉緒
六 夕空に舞ふ 赤蜻蛉追ひ 朋花
七 月のぼる 幼き我を 照らしつつ 有加
八 微笑む母の おもかげ想ふ 裕佳
初折裏
一 夏探し 耳を澄ませば 聞こゆ声 尚志
二 ふうりん揺れて はこぶ涼しさ 彩希
三 ふと見れば 君の瞳の いとほしき 麗
四 届かぬ気持ち 雨にうたれて 尚志
五 千歳鳥 いづこへ行くや 跡しのび 朱乃
六 白き袖振る 神の使ひか 朋花
七 秋の雲 ちぎれちぎれて 漂ひぬ 菜美子
八 月が誘ふ 御寺への坂 悠乃
九 窓のそと 鈴虫鳴きて しみじみと 叶夢
十 刈り田に一人 立つ遠案山子 朋花
十一 いまははや 都離れて 幾歳か 尚文
十二 向かふ峰峰 霞みたなびく 朱乃
十三 はらはらと 花散りそめて 暮れの春 裕佳
十四 ひかりのどかに そそぐ学舎 尚文
平成二十七年十二月十八日 起首
平成二十八年 二月 五日 満尾