「置かれた場所で咲きなさい!」後期終業式

3月23日(月)平成26年度後期終業式が終わりました。これからしばらくの間春季休業となります。4月、万物が生き生きと躍動する季節。出会いと別れの季節。新しい年度の始まりが近づくと身が引き締まります。終業式の学校長あいさつで、私は次のように芦高生にメッセージを送りました。少し難しかったかもしれませんが、芦高生だけでなく、私たち大人にも当てはまることだと思います。

「置かれた場所で咲きなさい」の著者の渡辺和子氏は現在ノートルダム清心学園の理事長をされています。彼女は30歳間近に修道会に入り、36歳の若さでノートルダム清心女子大学の学長になった人物です。若くして、慣れない土地で大任を任された著者は思い詰め、修道院を出ようとまで思ったそうです。そんなとき、一人の宣教師に教えてもらった詩の冒頭の一行、それが「置かれた場所で咲きなさい」だったということです。(幻冬舎 渡辺和子著「置かれた場所で咲きなさい」を参照しました。関係者の皆様には悪しからずご了承ください。)

芦高生へのメッセージ:“Bloom where God has planted you.”

今朝は少し寒の戻りがあるものの、先週の週末は春真っ盛りという天候でした。宮川の桜の蕾も冬の間にたっぷりとエネルギーを蓄え、開花の時期を今か今かと待っています。本日、皆さんとともに、平成26年度の後期終業式を無事迎えることができることを嬉しく思います。

70期生が古巣を飛び立ち、71期生と72期生だけの芦高生活でしたが、この一ヶ月いかがでしたか。71期生はもうすっかり最高学年としての貫禄が出てきました。「受験生」と呼ばれる1年間になりますが、先輩から受け継いだ誇り高き伝統のバトンを次へと繋いでほしいと思います。そして、県下最大規模の400名を擁する72期生の皆さん、芦高生としての1年間は、皆さんを大きく成長させたのではないでしょうか。4月からは73期生の後輩たち(320名)が入学し、皆さんは中堅年次として芦高を牽引していく役割を担います。スムーズに次代へとバトンを繋げるようにしてくれることを期待しています。

1年の締めくくりに何を話そうかと考えていると、東京のノートルダム清心学園の理事長をされている渡辺  和子さんの」「置かれた場所で咲きなさい」という本が目にとまりました。2012年のベストセラーだそうです。英語でいうと“ Bloom where God has planted you.”です。直訳をすると「神様があなたを植えたところで咲きなさい」ということでしょうか。

「時間の使い方は、そのまま、いのちの使い方なのですよ。置かれたところで咲いてください。」と著者は言います。長い人生の中で「こんなはずじゃなかった」と思うことが次から次へと出てきます。そんな時にも、その状況の中で「咲く」努力の大切さを訴えています。

しかし、どうしても咲けない時もあります。雨風が強い時、日照り続きで咲けない日、そんな時には無理に咲かなくてもいい。その代わりに、根を下へ下へと下ろして、根を張るのです。次ぎに咲く花が、より大きく、美しいものとなるために。

現実が変わらないなら、悩みに対する心の持ちようで変えてみる。いい出会いにするためには、自分が苦労して出会いを育てなければならない。心にポッカリと空いた穴からこれまで見えなかったものが見えてくる。希望には叶わないときもあるが、大切なのは希望を持ち続けること。信頼は98%。あとの2%は相手が間違った時の許しのために取っておくこと。

「ていねいに生きる」とは、自分に与えられた試練を感謝すること。

青春真っ只中の芦高生の皆さんには少し難しいかもしれません。しかし、皆さんには芦高という場所が与えられています。日々の生活で多少意にそわなくても、この芦高という場所で「咲く」努力をしてください。一人一人の「花を咲かせる」という努力こそが芦高という大輪の花になります。

平成27年度も芦高という大輪の花が咲くよう祈念して後期終業式でのあいさつとします。

校長 八木 基雄