HGLC 京大-HGLC科学者育成プログラム③

8月5日(水)、京都大学が所有する花山天文台と京都大学吉田キャンパスを訪問し、宇宙や天文学について学ぶ研修を実施しました。

花山天文台で太陽を学ぶ

午前中は、花山天文台を見学しました。

天文台では、現在も現役で活躍している国内最古級の望遠鏡を見学し、望遠鏡で捉えた太陽の映像をスクリーンに映しながら、太陽観測について詳しく説明していただきました。

講義では、太陽の外側ほど高温になる「コロナ加熱問題」が現在も解明されていないことや、黒点は磁場が非常に強い場所で、熱の対流が妨げられることで周囲より暗く見えていることを学びました。

また、太陽にも地球と同じようにN極・S極の磁場が存在し、その磁場の複雑な変化が巨大なエネルギーを放出する「太陽フレア」を引き起こすことについても教えていただきました。

過去に発生した大規模な太陽フレアの記録も見学し、その影響で大規模停電が発生した事例や、人工衛星や通信システムに影響を及ぼす可能性があることなど、宇宙の出来事が私たちの日常生活とも深く関わっていることを実感しました。

さらに、太陽内部の運動を理解するためには「電磁流体力学」と呼ばれる高度な物理学が必要であり、高校で学ぶ物理や数学が最先端の研究へとつながっていることも紹介していただきました。

京都大学大学院生による講演

午後は京都大学吉田キャンパスの益川ホールに移動し、京都大学大学院理学研究科宇宙物理学専攻博士課程1年の市原晋之介さんにご講演いただきました。

講演では、「宇宙を研究することは、一見すると私たちの生活とは関係がないように思えるかもしれない。しかし、長い目で見れば人類の発展につながる研究である」というお話から始まり、現在取り組まれている研究について紹介していただきました。

また、市原さんご自身の高校時代の課題研究についてもお話しいただきました。当時は5人1組で、風船とカメラを利用して宇宙空間を撮影するプロジェクトに挑戦されました。しかし、安全面や回収方法など多くの課題があり、高校での活動として継続することは容易ではありませんでした。

それでも、「やめられなかった、やめたくなかった」という思いから、クラウドファンディングで資金を集め、気象庁や京都大学など多くの方々の協力を得ながら挑戦を続け、大学在学中にプロジェクトを成功させたというエピソードは、生徒たちにとって大きな刺激となりました。

さらに、現在研究されている太陽の巨大爆発「スーパーフレア」や、それを観測したKepler衛星、太陽観測で重要となるHα線など、最先端の宇宙物理学についてもご紹介いただきました。

生徒たちにとって貴重な一日

今回の研修では、花山天文台で最前線の太陽観測に触れ、京都大学では現役大学院生から研究への思いや挑戦の歩みを直接伺うことができました。

「高校で学ぶ内容が大学での研究につながっていること」「興味を持ったことを諦めずに挑戦し続けることの大切さ」を実感できた、大変有意義な一日となりました。