HGLC」カテゴリーアーカイブ

京大-HGLC科学者育成プログラム①

人間科学類型は、地域課題の解決やグローバルリーダーとしての資質を育成することを目標に課題研究活動に取り組んでいます。その取り組みの一環として、1年生の夏休みに3日間の「京大-HGLC科学者育成プログラム」を実施しています。新型コロナウイルスの影響が明けた昨年度にプログラムを一新し、今年度も幅広い自然科学分野の講義や実習を通じて、科学研究の基礎知識とその手法を学びながら、グローバルな視野を持ち、次世代を担う科学者を育成することを目的としています。

1日目(7/31)は、「防災学(地震・水理)の歴史と現在」と題して、午前中に京都大学防災研究所附属地震予知研究センター阿武山観測所(大阪府高槻市)、午後から京都大学防災研究所宇治川オープンラボラトリー(京都市伏見区)を訪れました。阿武山観測所は、日本の地震研究の先駆けとして1930年に設置された、歴史的にも価値のある地震観測所です。現在でも地震観測は行われていますが、館内には当時使われていた多くの地震観測装置が展示されていました。解説を聞きながら、地震観測の歴史やその手法・観測装置の進化を知ることができました。当時の観測装置は大型で構造がシンプルなため、高校生でもその仕組みが目で見て理解できることが新鮮でした。観測所の屋上に上がると大阪平野が一望でき、このような自然に囲まれた環境の中で、最先端の観測・研究が行われていたことに驚きを感じました。

午後からは、京都市伏見区に場所を移して、京都大学防災研究所宇治川オープンラボラトリーを訪れました。この研究所は、水と土砂に関する様々な観測・実験装置を備えた総合実験施設です。実際に、淀川の支流宇治川の堤防裏に研究所は位置し、河川災害の最前線であることが良く分かりました。まず初めに『都市の氾濫災害に関する京都大学防災研究所の研究』と題して、同研究所流域災害研究センター河川防災システム研究領域の川池健司教授の講演を聞きました。その後講義棟から実験棟へ場所を移し、「雨水流出実験装置」・「実物大階段模型」・「浸水体験実験装置(自動車模型)」の3つの実験装置を使って研究体験を行いました。実際に大規模な大雨・河川災害に直面する機会はない中で、このような実験装置を用いて極限の環境を再現し、それを直接自分の体で疑似体験できることの価値について身をもって学びました。特に「浸水体験実験装置(自動車模型)」では、予想に反して通常のドアよりスライドドアの方が浸水時には開けるのが困難であることが分かりました。

世界でも防災に関する研究を総合的に行っている研究所は他に例が無く、京都大学防災研究所は世界最先端の研究所であることが分かりました。そして、ここでの研究の積み重ねが、大規模災害から私たちの生活を守ってくれていることを知りました。

「兵庫県高等学校探究活動研究会」 2月8日(土)

人間科学類型は、地域課題の解決やグローバルリーダーとしての資質を育成することを目標に課題研究活動に取り組んでいます。2年生の後半は、校外の課題研究発表会に参加し、日頃の研究成果を発表する機会を設けています。2/8(土)には、甲南大学主催の「兵庫県高等学校探究活動研究会」が神戸市立御影公会堂行われました。本校からは大西七煌が参加しました。

最初の開会式に続いて、基調講演が行われ、高田短期大学特任教授 大野照文 氏が『探究活動ってなあに?』というテーマで講演されました。私たちが取り組んでいる『探究活動』について、その本質とは何かを深めていく内容でした。普段の生活の中からも探究活動は行われていることに気づかされ、新たな視点を得ることができました。

昼休みの休憩を挟み、午後からポスターセッションが行われました。本校生徒の発表テーマは『音楽で人間の感情を操作する ~展開部・再現部~』です。音楽の要素の内「コード進行」というものに着目し、伴奏の音階の使用率と感情の間にある関係を、大量のサンプルに基づき導出する研究です。

また、自分の発表以外の時間は、他の発表者の研究発表に参加しました。今日一日で、今後の研究への改善点や新たな方向性をたくさん得ることができました。また、他の学校の生徒と意見を交換し交流することで、多いに刺激を受けました。研究自体はまだまだ途中段階で、今回多くの研究者から頂いたアドバイスを基に、来年の課題研究発表会に向けて研究を深めることができました。

課題研究外部発表会(甲南大学 リサーチフェスタ2024)

人間科学類型は、地域課題の解決やグローバルリーダーとしての資質を育成することを目標に課題研究活動に取り組んでいます。2年生の後半は、校外の課題研究発表会に参加し、日頃の研究成果を発表する機会を設けています。12/15(日)に甲南大学主催の「リサーチフェスタ2024」がオンライン(リモート)開催で行われました。本校からは5名の生徒が参加しました。

国際・地域・社会分野には、谷水結郁さんが『生理の貧困を解消する-自販機から始まる新たな支援の形-』を発表しました。

言語・文化・教育分野には、清瀬佑月さんが『三田市と民話とガタロン』、帆山陽彩さんが『関西弁がどのように思われているのか』をそれぞれ発表しました。

化学・生物・健康分野には、岸本晴菜さんが『ノイズで集中力アップ…!?』、村島康太さんが『衣服の繊維による花粉の付きやすさ』をそれぞれ発表しました。

午前中のリハーサルでは、与えられた20分間を自らアレンジし、発表と質疑応答に臨みました。午後の本発表では、30分間で3回の発表・質疑応答を行いました。同時に本発表では、審査員による審査が行われ、オンライン発表にも緊張感が高まりました。また本発表では、他の参加者の発表を審査する審査員の役割も与えられるなど、一日で様々な経験を積むことができました。今回多くの参加者から頂いた指摘やアドバイスを基に、来年7月の課題研究発表会に向けて研究を深めることができました。

当日の審査結果が後日発表され、岸本晴菜さんの『ノイズで集中力アップ…』がクリエイティブテーマ賞に見事選ばれました。おめでとうございます。

38回生 課題研究発表会

38回生(現2年生)が本校体育館にて課題研究発表会を行いました。

関西学院大学名誉教授の高畑氏をお招きし、1年次から行っていた探索・思索・人間科学の締めくくりとなる発表会で、ポスター発表から始まり、後半ではスライド発表が行われ、各々興味深いタイトルのもと代表者が発表を行ってくれました。

植物と音楽の関係性やいい学校とは何か、JR西日本や神姫バスに問い合わせて公共交通機関をよりよくする方法を模索している人などなど、一つ一つのテーマにその人の努力や工夫を感じるものばかりでした。

高畑氏の講評では

研究には

オリジナリティ(自分の視点を持っているか)

リアリティ(確立された根拠があるか)

ストーリー(このテーマにはこんな面白いところがあり、みんなと共有したいという気持ち)

が大事であり、特にプレゼンにはストーリーが重要視されている。

この発表に何の意味があるのかとおもうことがあるかもしれないが、日ごろ不思議に思うことを深く考えストーリーにすることがこれからの大学生活、社会人になった時のみんなの力になる。

という言葉をいただきました。

1年 模索講演会

5月9日(木)7時間目に、文理選択のための、1年生の模索(総合的な探究の時間)講演会を行いました。この講演会は2回企画されており、今回は『文系学問の楽しさ・面白さ』という題で講演を行っていただきました。兵庫県立大学国際商経学部から三崎秀央教授にお越しいただき、ご専門の経営学の視点からお話をして頂きました。

経営学と聞くと、難しそうで難解な学問をイメージしていましたが、三崎先生のお話を聞くと、私たちの生活に密着したとても身近な学問であるとともに、昨今の大学生の就職活動では、企業とのマッチングが得られやすい分野であることを知りました。マクドナルド・くら寿司・セブンイレブン・プロアスリートの経営戦略を例に挙げ、とても分かりやすく解説していただきました。また心理学やモチベーション理論も交えながら、経営学をはじめとする文系学問の幅広さや、奥深さも感じることができました。学問から自分自身の将来について考える、いいきっかけになったと思います。

課題研究外部発表会(甲南大学 リサーチフェスタ2023)12/17

人間科学類型は、地域課題の解決やグローバルリーダーとしての資質を育成することを目標に課題研究活動に取り組んでいます。2年生の後半は、校外の課題研究発表会に参加し、日頃の研究成果を発表する機会を設けています。12/17(日)に甲南大学主催の「リサーチフェスタ2023」がオンライン(リモート)開催で行われました。本校からは11名の生徒が参加しました。

物理・数学・情報分野には、板野彩矢さんが『開発‼みんなの推しアプリ』を発表しました。

経済・経営分野には、荻野桔梗さんが『ジビエ料理と狩猟者人口の移り変わりの関係性について』、梶谷亮太さんが『エコバックの使用率を上げよう』をそれぞれ発表しました。

国際・地域・社会分野には、川田蒼汰郎さんが『マスクが若者に与えた影響』、前田真柊さんが『化粧品広告にメンズモデルが与える影響』をそれぞれ発表しました。

言語・文化・教育分野には、清山詩織さんが『頭に残りやすいCMって?』、増井咲乃さんが『伝統方言の守り方』、諸留あやのさんが『反省している感を出そう』、栁原麗良さんが『心は運命を変える~スクールカウンセラーとの懸け橋~』をそれぞれ発表しました。

化学・生物・健康分野には、竹内悠登さんが『授業中の眠気の正体はスマホだった!?』、仲満梨奈さんが『睡眠は質?量?最適なアラーム音を紹介!』を発表しました。

午前中の前発表では、与えられた20分間を自らアレンジし、発表と質疑応答に臨みました。午後の本発表では、30分間で3回の発表・質疑応答を行いました。同時に本発表では、審査員による審査が行われ、オンライン発表にも緊張感が高まりました。また本発表では、他の参加者の発表を審査する審査員や座長(司会者)の役割も与えられるなど、一日で様々な経験を積むことができました。今回多くの参加者から頂いた指摘やアドバイスを基に、来年7月の課題研究発表会に向けて研究を深めることができました。

阪大-HGLCプレゼンテーション研修 3/06

 人間科学類型は、地域課題の解決やグローバルリーダーとしての資質を育成することを目標に課題研究活動に取り組んでいます。その活動の一環として、3月6日(水)に大阪大学大学院工学研究科森勇介教授を本校に招き、課題研究のプレゼンテーションに関する研修会が行われました。

 これまで、自分の課題研究の内容を深めていくことを考えていたため、なかなかそれを上手に表現する(プレゼンテーション)ことまで考えることができませんでした。今回の研修で、初めてプレゼンの大切さに気付かされました。ここで学んだことを活かして、7月の課題研究発表会に向けてさらに研究を深めていきたいと思います。

 まず初めに森先生がプレゼンテーションの要点について解説をしていただきました。それによると、プレゼンには「起承転結」がとても大切だそうです。特に「承」と「転」が重要で、この「承」と「転」を上手に表現することで全体の流れや構成がはっきりし、研究の成果が際立つことを教わりました。その後、6つの班に分かれて、その中の1人の研究内容に対して意見を出し合い、プレゼンテーションの改善につなげていく作業を行いました。いざ作業をしてみると、「起承転結」に区分することや、「承」と転」を上手に設定することが思いの外難しく、メンバーで熟慮を重ねながら議論を進めていきました。そして最後に、作業をしたポスターについて、6つの班それぞれの発表が行われました。

課題研究外部発表会(ひとはく 共生のひろば)2/11

 人間科学類型は、地域課題の解決やグローバルリーダーとしての資質を育成することを目標に課題研究活動に取り組んでいます。2年生の後半は、校外の課題研究発表会に参加し、日頃の研究成果を発表する機会を設けています。2/11(日)に兵庫県立人と自然の博物館主催の「第19回 共生のひろば」が現地とオンライン(リモート)のハイブリッド開催で行われました。本校からは現地でのポスター発表に19名の生徒が参加しました。

青木大河   ゲームをしてもよりよい睡眠を
石井理子   時間の節約 タイパで失うものとは?
奥山もにか  「勉強の前の勉強」をはじめよう  もう一つの地域からの学習サポート
木村楓    黒板便利グッズでストレスを軽減しよう
久宝湊士   雨ニモマケズ  Let’s精神一到!!
近藤陽太   交通安全について
齋藤朱里   色でパフォーマンスを高めよう
田中優羽   英単語を効率よく覚えるために
谷村優太   メタバースを知ろう
辻瑠美衣   身近な植物から消毒液を作ろう
鳥取すずな  左右別々が難しい!  アプローチ方法を変えてピアノ練習力upを目指そう
西井いつき  大人でも眠られる!? 子守唄を作ろう
畑中登仁   イヤホンの安全な使用
針江優和   自転車の楽なこぎ方
平岡弘成   ストレスフリーのゲームを目指して
前西翔太   自転車の荷物を置く位置と速さ、安全性との関係
森本蒼人   空気読みと感覚
山田健太   空き家の可能性を追求する
吉井颯汰   目指せ視力回復

会場には、研究者から小学生まで様々な参加者が発表されていました。私たちの研究発表にも多くの方々が視聴に訪れてくださいました。発表の後は、ひとはくの太田菜央研究員によるトークイベントも開催されるなど、充実した一日を過ごすことができました。多くの参加者から頂いた指摘やアドバイスを基に、来年7月の課題研究発表会に向けて研究を深めることができました。

人間科学類型(1-6)特別授業③

 2月7日(水)5限、朝日放送テレビ株式会社 総務局総務部 神田雅之 先生に「放送局での仕事と働く人々」というテーマで特別授業をおこなっていただきました。私たちに対し事前に宿題(「おはよう朝日です」を見て来ること)が出されたこともあり、講師の先生からどんな話が聞けるのか期待が膨らんでいました。

 先生の話をよく聞いていると、私たちの知っているテレビの中の世界はほんの一部分で、残りの大部分は意外にも他の民間企業と変わらないことに驚きました。人事や経理・営業など、いわゆるテレビ番組とは直接関係のない部門で働いている方たちも多くいて、毎日の放送が支えられているのだとわかりました。朝日放送テレビの社員のうち、実際にテレビの制作にかかわっている人は2.5人に1人の割合だそうです。神田先生ご自身は理系学部出身でテレビやラジオ放送を技術的に支える部門に所属されていましたが、一昨年からその部署を離れ総務局に所属されているそうです。

 講演の途中で10分ほど、『「おはよう朝日です」を制作する現場紹介』の動画を観ました。宿題で見た番組がどのようにして作られているのかが、その裏側まで紹介されており、番組制作の大変さと面白さがとてもよくわかりました。

 また神田先生からは、「思いを持ち続けていれば、いつかは叶う」と教えて頂きました。どうしても私たちは目先の結果や効果に囚われてしましますが、全く違う観点からアドバイスを頂けたように感じました。

 ネットメディアの普及に伴い、従来のテレビメディアが縮小を余儀なくされています。その変化のなかで朝日放送テレビも変革が求められているそうです。それに対抗するために、番組のネット配信も始まってると聞きました。厳しいメディア環境の中でこれからも稼ぎ続ける自信のようなものを、先生の言葉の端々から感じられたことがとても印象的でした。今日のお話を聞いて、テレビを見る視点が少し変わったように感じました。

人間科学類型(1-6)特別授業②

 2月5日(月)6限、大阪大学大学院工学研究科 森勇介 教授に「試験で実力が発揮できるようになる心理学的アプローチ」というテーマで特別授業をおこなっていただきました。森先生には5月18日の模索講演会で講演をしていただき、その際の気さくな人柄や巧妙な話しぶりが印象に残っていました。今回は特別授業という形で再びお話をしていただけるということで、授業の前から期待が膨らんでいる生徒も多くいました。

 北三生が憧れる大阪大学の教授ということもあり、難解な講義を思い描いていましたが、その予想は大きく裏切られました。ご自身の生い立ちから始まりました。幼少期からずっと強いトラウマを抱えていたこと。アメリカへ向かう飛行機で偶然隣に座ったカウンセラーとの出会いがきっかけでトラウマが解消されたこと。そしてその経験から、心理学アプローチを広く社会へ普及させようとしていること。さらに、トラウマから解放されたお陰で様々な人と出会い、その出会いが自らの研究に大いに役立ったこと。などを、お話しいただきました。

 まさに今回の授業は“目からウロコ”のお話でした。周りからは成功しているように見える人でも、人それぞれ深い悩みがあり、前向きに物事を考えられるようになることで、目の前の世界が変わるのだと知りました。大学教授でありながら、起業家でもある森先生のお話に、生徒はすっかり魅了された50分でした。