京都大学大学院理学研究科サイエンス連携探索センターの協力のもと、課題研究に必要なリテラシーや研究者としての資質を学ぶ目的で、3つのステップに分かれた段階的な学習プログラムを実施しています。3年前から研究分野を天文学に設定し、天文学の基礎から研究発表までの一連のプログラムを学ぶことで、研究者としての資質の向上を目指しています。
2日目はジュニアセッションでの発表です。並行して開催されている日本天文学会の2日目に、日本中の高校生が日頃の天文学の研究成果を披露する研究発表会です。新型コロナウイルスの影響で4年ぶりに現地で対面形式の発表会が行われました。本校の研究テーマは『TESSの観測データによるこいぬ座YZ星の恒星フレアと太陽フレアの比較』です。宇宙から太陽系外惑星を探査するための人工衛星(TESS)によって観測されたこいぬ座YZ星の恒星フレアを解析し、太陽フレアとフレアエネルギーの観点から比較したものです。
午前は他の学校の口頭発表の見学です。どの学校もしっかりとした研究で、その後の質疑応答も活発な議論が展開されました。次は、昼食も兼ねたポスター発表の時間です。ここでは私たちも交代で90分間ポスターの前に立ち、聴講者に説明や質疑応答を行いました。午後からはいよいよ本番の口頭発表です。4分間のスライド発表と1分間の質疑応答を行いました。すべての学校の口頭発表が終わった後に、もう一度ポスター発表が行われました。私たちの説明に対して、熱心に耳を傾けてくださる方もいて、興味を持ってもらえることにとても嬉しく感じました。また、今後に向けてのアドバイスをしてくださる方もいて、とても参考になりました。
あっという間の2日間でしたが、終わってみるととても充実した時間を過ごすことができました。日本の天文学の最高峰の場に居合わせることができ、同じ天文学を学ぶ高校生からもたくさんの刺激を受けました。まだまだ自分たちの研究が未完成で未熟であることに改めて気づかされました。一方で、今まで研究してきたこと、この場で発表できたことはとても貴重な経験でした。研究者としての第1歩を踏み出せたようにも感じました。最後に、何も知らない私たちをここまで鍛えて導いてくださった“反保さん”、ありがとうございました。2年後に立派な課題研究を完成させて恩返しをしたいと思います。またどこかでお会いできる日を楽しみにしています。
帰りの新幹線の車内で、東京で桜が開花したニュースを知りました。研究者としての第一歩を踏み出した私たちを祝福してくれているようにも思えました。いつか立派な満開の花を咲かせられるよう頑張ろうと心に誓いました。