本講演会は、生涯のうち国民の2人に1人はがんにかかると言われていることを受け、「がんに関する正しい認識を深め、がん予防や早期発見につながる行動変容を促し、がんと共に生きる社会づくりに寄与する資質や能力の育成を図る」目的で行いました。今年度も昨年度に引き続き、三田市のけやき台でクリニックを営む「たなかホームケアクリニック」の田中章太郎先生と、訪問介護士として働き、一般社団法人エンドオブライフ・ケア協会に所属し、自らもがんサバイバーである津野采子さんにお話していただきました。
前半は田中先生が津野さんへインタビューしながら、告知を受けた時の気持ちや自分の病気を友人に話した時の反応等、津野さんの実体験を非常に具体的にわかりやすく教えていただきました。その姿から前向きに生きている姿を見せていただきました。
後半は「折れない心を育てる心の授業」と題して、苦しみの原因は何か、わかってくれる人とはどのような人か等をわかりやすい例を交えながら教えていただきました。最後に代表生徒から謝辞を伝えました。
生徒の感想文には「苦しみに対するイメージが変わった」「分かろうとする姿勢が大切だ」という意見や「がんのことだけではなく、これからの人生についても教えてもらえた」との意見もあり、多くの生徒にとって「いのち」について、より「良く生きる」ことについて、深く考える良い機会になったようです。自分の大切な人々の闘病生活を思い浮かべながら聴いていた人もいました。がん教育を通じて、大切な「いのちの教育」や「折れない心」について教えていただきました。
公私ともにお忙しい中、大変貴重な機会を準備していただいた田中先生、自分の経験を惜しみなく伝えてくださった津野さんをはじめ、関係してくださった皆様に心よりの感謝をお伝えします。