日別アーカイブ: 2022年3月24日

京大‐HGLC 科学者育成プログラム エキスパート(expert)コース ⑧

人間科学類型は、地域課題の解決やグローバルリーダーとしての資質を育成することを目標に課題研究活動に取り組んでいます。その活動の一環として、京都大学大学院理学研究科の協力を得て京大‐HGLC 科学者育成プログラムを行っています。このエキスパート(expert)コースは、昨年9月から始まったアドバンスト(advanced)コースでの研究成果の集大成を発表するものです。

3月19日(土)はその発表会(第24回 日本天文学会ジュニアセッション)が行われました。本来ならば広島大学を会場にして行われる予定でしたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響によりオンラインで実施されました。本校からは9名(2-6 3名・1-5 5名・理化部1名)の生徒が参加しました。

このジュニアセッションは、天文学を研究する日本中の高校生が一堂に会し、研究成果を発表するものです。口頭発表(40校)・ショートプレゼンテーション(14校)・ポスターのみ(6校)の3つの部門に分かれ、本校は口頭発表部門に参加しました。

本校の研究タイトルは『せいめい望遠鏡を用いた脈動白色矮星ペガスス座394星の3色測光観測』です。京都大学岡山天文台のせいめい望遠鏡とTriCCS( 可視光 3 色同時撮像装置)を用いて脈動白色矮星ペガスス座394星の測光観測を行い、明るさの変化の周期を調査しました。その結果、ペガスス座394星の3色の光度曲線から、g、r、iのすべてバンドでピークを迎えるタイミングが同じだということがわかりました。また、解析で述べた方法によって、ペガスス座394星の光度変動の頂点をもとめた周期は、ピーク毎に等しくなり、299.99068秒であることがわかりました。

また、このジュニアセッションにはタイからも6つの発表が行われ、同じ天文学を学ぶ仲間として新たな刺激にもなりました。

この発表会をもって、科学者育成プログラムは完了し、プロジェクトチームも解散になります。1年生は7か月、2年生の3人にとっては1年半に及ぶ活動を終えることとなりました。コロナウイルス感染拡大の影響で研究活動が制限され、多くの困難に直面しましたが、「研究をしてみたい!」「高度な研究に触れてみたい!」の熱意だけでここまで活動を続けてきました。活動を終えてこれまでを振り返ると、大変だった研究の日々が懐かしく思い出され、同時に一回り成長した自分を感じることができるようになりました。何も分からない私たちを一から指導して、ここまで導いてくださった京都大学大学院理学研究科の反保雄介さん、本当にお世話になりました。ありがとうございました。