3月25日(木)、26日(金)
春休みを利用して1年生の希望者(普通科8名、GS科7名)を対象に「蛍光顕微鏡組立体験実習」を行いました。これは自分達で蛍光顕微鏡を組み立てて、生物図録でよく見る蛍光を撮影するというものです。蛍光顕微鏡とは、試料からの蛍光を観察する顕微鏡で、PCに画像を取り込んで観察することができ、生物学・医学における研究、臨床検査などに用いられます。今回行った顕微鏡を組立てるという実習を高等学校(中等教育相当)で行うのは、世界でも類がないことで、本実習の導入にあたりご支援いただいた東北大学大学院医工学研究科によると、このようなレベルの実習を行っているのは東北大学・マサチューセッツ工科大学と本校だけだそうです。
一日目はまず可視光で観察する光学顕微鏡を組み立てました。
最初に授業で使っている顕微鏡を観察したり分解したりして、各パーツの名称や役割を確認しました。
次に、設計書を見ながら顕微鏡の各パーツをブレットボードに取り付けていきます。
そして生物基礎の授業でも行った口腔上皮細胞とオオカナダモを、実習終了後には、希望者が自分が持ってきたものなどを自由に観察しました。
2日目はいよいよ蛍光顕微鏡観察です。
最初に「蛍光」とは何かを確認しました。
続いて、目的の蛍光を観測できるように各班で1日目に組み立てた顕微鏡のパーツを入れ替え、観察しました。
2日間で延べ6時間にわたる実習でしたが、何気なく使っている実験器具や教科書の写真がどのように撮影されたかという原理を考える良いきっかけになったようです。
知りたいことを調べることのできる道具がなければ、それを調べられる道具を誰かが作るのを待つのではなく、自らその道具を作ることも大切です。今回使用したパーツ類の一部は、実際に研究の現場で知りたい情報を得るために、顕微鏡システムを構築するときに使用されるものと同じです。本校では、これまで、分野横断型の様々なプログラムを実施してきましたが、今回の「物理と生物をつなぐ工学的実習」を通じて、それらの基礎となる広範囲な思考力の育成と、研究活動の基礎となる工学的素養を身につけられたと思います。