ようこそ校長室へ(10月11日)

令和3年10月11日(月)

多可高校 校長室へようこそ

「多可草子」

 

今日は、本校生徒が綴った「多可草子」をご紹介します。この作品は、多くの生徒による連作で、先日の全校集会で吉田教頭先生の朗読により披露されました。どうぞ、本校生徒が多可町へ寄せる素直で温かい思いを感じていただければと願います。

引き続き、本校教育へのご理解とご協力をよろしくお願いいたします。

 

 

『多可草子』(令和版『枕草子』)

 

春はうららか。冬の重ね着軽くしたいが、まだ寒い。裏腹に草木は色づく。春風に揺られ、進む桜並木。杉原川と桜との二人三脚は心和らぎ、ほのぼのと。水面を覆い尽くすは、桜の絨毯。桜並木と甲乙つけがたい。

 

梅雨はグレー。窓を開けると雨音が響き、傘と共に登校。傘に水滴がポツポツ、空から地面に着地し、大きな水溜りができる。顔をしかめて避ける。室内は蒸し暑い。プリントもしょんぼり。ふと外を見遣ると、妙見山に虹が架かる。グレーが白に近づく。

 

夏はコントラスト。夕日が濃く、雲は荒々しい。暑さはどこへ。季節を疑う。散歩も捗る。風があるとなお良い。響き合う挨拶に広がる和。沁みる田舎の良さ。

 

秋はしっとり。田んぼは黄金に、木々は深紅に。冷ややかな風が金木犀を運ぶ。せわしない日々の束の間の休息。車輪の回転速度が落ちる。秋に寄り道する。

 

冬は問題児。朝は布団から出られない。水を出すのにひと苦労。電気代、ガス代が馬鹿にならない。ひび割れでハンドクリームが欠かせない。しかし、嫌いになれない。愛しい季節。

 

多可は自然。春夏秋冬、様々な顔を見せる山々。季節を心地よく感じられる。決して都会にはない。「ただいま。」と言いたくなる、私の大切なふるさと。

 

 ~多可高等学校は、「福祉のこころ」を育み、地域の未来を拓く学校です~