入学式・始業式式辞

多可高等学校 第46回入学式 式 辞

新元号が、万葉集を典拠とする「令和(れいわ)」と発表され、本日を待っていたように咲き誇る満開の桜が新しい時代を祝福しているこの佳き日に、兵庫県会議員 内藤兵衛(ないとう ひょうえ)様 代理でいらっしゃいます秘書の岸本年裕(きしもと としひろ)様、多可高校PTA会長 星力夫(ほし りきお)様、ご来賓の皆様、並びに保護者の皆様方のご臨席を賜り、第46回の兵庫県立多可高等学校の入学式を挙行できますことは、本校関係者一同、大きな喜びであります。先ほど入学許可をした80名の新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。また、保護者の皆様におかれましては、お子様のご入学まことにおめでとうございます。

本校は1976年西脇北高校多可分校から独立し、地域の方々からの強い願いが叶って誕生した普通科の高等学校です。平成19年には3つの類型ができ、生徒たちには多様な選択が可能となりました。新入生の皆さんは、どうか自らの進路について、しっかりと考え、多様な選択の中で、その可能性にチャレンジしてほしいと思います。皆さんは、この多可高校という場に縁あって入学してきました。是非、この多可高校で花を咲かせてください。私たち教職員一同は皆さんを全力でサポートして参ります。

多可高校は、本年度から、1学年2クラスとなります。北はりま地域全体の生徒人数が減るなか、本年度、多可高校に、皆さんが入学してくることとなりました。人口減はこれからの日本が国として抱える大きな課題であり、明確な解決策が見いだせずにいる問題でもあります。また、これから先の職業の多くはAIというものに取って代わられると言われ、人間として何ができるかが問われる時代にもなってきています。これからは文系や理系という別々の枠で学習を考えるのではなく、文理融合の時代になるとも言われています。そして、18歳成人が始まる2022年4月に、18歳となっている皆さんは、3年後の卒業後には成人となり、様々なことに自らの責任が問われることに直面するようになります。元号が変わり、選挙権のみならず、18歳時には、新成人としての責任を問われる、そんな大きな時代のうねりの中で、皆さんは、高校生活を送り、次へのステップを踏み出していきます。

本校の校訓は「日々新」(ひびあらたに)と言います。中国の古典、「大学」という書物の中に「苟(まこと)に日に新たに、日々新た また日に新たなれ」という言葉からとられました。それは、「今日の行いは昨日の行いよりも新しく、そして良くなり、明日の行いは今日の行いよりも新しく、良くなるように心がけなければならない」という意味です。昨日より今日、今日より明日とわずかずつであっても、人間としての心や行動に成長がなければならない」ということです。本校では、この校訓のもと「福祉のこころを育む」という教育目標があり、それは、「思いやりの心」「共生の心」「自発の心」を育むことです。これから、日々新たに成長していく皆さんに、私自身が、3年後の卒業を見据えて、皆さんに願うことは、次の4つです。

一つ目は、「命を大切にしてください」ということです。かけがえのない自分自身の命、他者の命、その命を大事にし続ける心を養い続けてください。そこに「福祉のこころ」は宿ります。2つ目は、「好きなことを見つけてください」ということです。これならば、誰にも迷惑をかけずに続けることができる、これならば誰にも迷惑をかけずに時間やお金をかけ続けても惜しくない、そんなものを見つけてください。3つ目は「できることを増やしてください」ということです。小さなできることを積み重ねてください。「朝、目覚まし時計なしで起きられるようになった」とか、「机の前に30分座れるようになったとか」、できなかったことをできるようにする努力をしてください。そして、4つ目は「感謝の心を持ち続けてください」ということです。皆さんが生活していることにまず感謝の心を持ってください。私自身は、今、こうして皆さんを出会えたことに感謝し、お礼を申しあげます。「多可高校へ来てくれて、本当にありがとうございます」。

そして何よりこれから意識してほしいことは「本気」ということです。何ごとに取り組むにも、何ごとを考えるにも、本気で取り組んでください。本気で考えください。常に何ごとにも本気であることが、皆さんを大きく成長させていきます。「本気」であることは、一瞬恥ずかしいとか、かっこ悪いとか、人の目を気にしたり、面倒くさくなること、そんな自分との戦いになります。それを突破して、自分の殻を破って、成長してください。常に本気であってください。これからは、不安や心配もあり、思い通りにならないこと、腹立たしいことも出てくるでしょう。しかし、そんなときに、例えば少しの我慢ができたり、何とか解決しようと努力したりすることができたとき、それは成長となります。これから皆さんはどんどんと成長していきます。多くの先輩や先生と同じ校舎で多くの時間を過ごすこととなります。学習や部活動、学校行事で力いっぱい、自分自身の能力を発揮してください。3年後にここにいるみんなが互いにかけがえのない友となっていることを期待しています。

最後になりましたが、保護者の皆様、本日はお子様のご入学おめでとうございます。多可高校の教職員一同、全力でお子様の教育に取り組み、進路実現に向けて精いっぱい努めてまいります。それゆえ、保護者の皆様のご支援ご理解を賜りますようどうぞよろしくお願いいたします。そして、生徒の皆さんはもちろんのこと、我々教職員も、そして保護者の皆さまもお元気で、喜びの中で、三年後の卒業式を迎えることのできますことを祈念しまして式辞といたします。

平成31年4月8日

兵庫県立多可高等学校 校長 大矢 徹

 

第1学期始業式式辞(平成31年4月8日 月曜日)

おはようございます。皆さん心新たに新年度を迎えたことと思います。5月からは元号が「令和」となります。3年生の卒業年は令和2年になりますね。また、2022年4月には18歳成人となりますから、今年度の多可高校生は全員が3年後に成人です。時代がどんどんと変わります。AIのことは、耳が痛くなるくらい聞いてきていると思います。AIに使われていてはだめです。AIを使いこなしていかなければならない。学習指導要領が変わっていくことで、今は小学校からプログラミングをしたり、英語を学んだりしている。そして、新しくできた総合的な探究の時間から、教科を超えて、文系や理系という枠を超えて、学びが広がっている。自分で考え、判断し、表現できるように教育が変わってきています。そんな子どもたちが今からは出てきます。英語を使いこなしたり、AIを自由に使いこなしたり、自分から物事を創り上げていくような子どもが間違いなく増えていきます。皆さんの後をそういう子どもたちが追いかけてくるわけです。 皆さんは、勉強するということを忘れてはいけないし、勉強しようという姿勢は持ち続けなければなりません。それは、続けることのできる好きなことを見つけようということです。ですから、今年も言い続けます、本気でものごとに取り組んでください。好きなことを見つけてください。できることを増やしてください。続けられる努力をしてください。自分自身でできることを本気で続けてほしいと思います。だから、この1年でこれだけは達成するという目標を一つは立てて、達成してほしいと思います。達成できなくとも、努力をし続けたと言えるものであってほしいと思います。私は、今年度、マラソンを走りきりたいと思っています。神戸マラソンか篠山マラソンに出られたら、42.195㎞を走りきりたいと思っています。これが私の目標の一つです。皆さんも何か一つでいいから、今年度はこれをやろう、これを達成しようというものを作ってみてください。皆さんが皆さんの気持ちで考えてみてほしいと思います。新2年生は学校の屋台骨となってください。新3年生は自らの進路実現をしっかり見つめて、全力で達成してください。3年生はこれが目標になりますかね。3年生は面談をします。2年生は修学旅行について行きますよ。授業中もうろうろと見に行くこともあります。この1年がさらに皆さんにとって、多可高校にとって良い年になりますよう祈りまして式辞といたします。