校長式辞

令和3年度兵庫県立多可高等学校第48回入学式

式辞

花咲き盛り、すべての木々から新芽の弾ける音が聞こえてくるような好季節になりました。明るさと希望に満ちた今日の佳き日に、PTA理事 笹倉大助 様 を始め、ご来賓並びに保護者のご臨席を賜り、厳粛なる入学式が行えますことは、私ども教職員一同、この上ない慶びであり、ご参席いただきました皆さま方に心よりお礼申し上げます。

ただ今、入学を許可しました64名の新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。みなさんを多可高等学校第48回生として、本校職員並びに在校生一同、心より歓迎をいたします。

さて、本校は、昭和51年の創立以来、「日日新」(ひびあらたに)を校訓とし、進取、自主、創造の精神を持ちながら日一日、新たな気持ちで意欲的に取り組み、未来に向けて力強く生きる力を身につけることを教育目標としています。この言葉は,中国古典「四書五経」の一つである「大学(傳二章)」の「まことに日に新たに、日日に新たに、また、日に新たなれ」によるものです。

中国古代の殷王朝を樹立したとされる湯王(とうおう)は、自分が顔を洗う盤(うつわ)に「まこと日新、日々新、又日新」の九つの文字を刻印し、毎朝、洗面する度にその言葉を刻み、国政に臨む覚悟を新たにしたと言います。

何事においても、日日の勉強や仕事などは同じことの繰り返しが多くなると、惰性に流れて身につかずに終わることもあります。物事には、日日新たに気持ちを引き締め、意欲的に取り組まねばなりません。それによって、勉強も仕事もはかどり、自己の進歩や向上がはかれるのです。昨日の自分より、今日の自分の方が、少しでも新たに進むように、勉学に励み、心をみがき、一日一日を新たにし、間断あってはならないことをこの言葉は表しています。

本校では、「日日新たに」の校訓のもと、「福祉のこころ」を育み、自らを磨くことを目指しています。 

 先輩たちが築いてきた、本校の佳き伝統と校風を継承しつつ、新入生の皆さんが充実した高校生活を送ってくれることを願ってやみません。

人生において、たった三年間という短い期間の高校生活です。その貴重な時期に、皆さん方一人ひとりが、社会に広く目を向け、自らの責任において目標を定め、計画的にそして意欲的に挑戦し続け、世界でただ一人の光輝く自分を創っていくという気概を持って一図に邁進してくれることを期待いたします。

後になりましたが、保護者の皆さまに一言ご挨拶申し上げます。

本日はお子様のご入学、誠におめでとうございます。心よりお慶びを申し上げます.高校三年間は人生の方向を決定する大事な時期であり、悩み苦しみの大きい時期でもあります。私たち教職員は、お子様が自らの生きる道を、自らが切り開いていけるよう、全力を尽くしてまいりますが、子どもたちの健全な成長を望み、豊かな個性を育てていくためには、学校と家庭がそれぞれの役割を果たしながらも、相互に補完し合い、連携を密にしていくことが重要と存じます。どうか、学校の目指すべき方向性をご理解いただき、ご支援とご協力を賜りますようよろしくお願いいたします。

さて、新入生の皆さん、今から多可高等学校での学校生活が始まります。

この六四名の一人ひとりが、本校で健やかにそして爽やかに、若さを精一杯燃焼させ,充実した高校生活を送ることができますことを心から願いまして、式辞といたします。

 

令和3年4月8日

兵庫県立多可高等学校長

殿 井 瑞 穂