人権講演会

5月19日(木)の3・4時間目に、Like Myself 代表の前田さんをお招きし、人権講演会を行いました。

前田さんは幼いころから、性について違和感を持っており、女性として生まれましたが、今は男性として生活をされています。「間違った知識ではなく、正しいことを伝えるため」に、ご自身の経験をもとに講演をしていただきました。

まず、前田さんが幼いころから性について違和感をもっており、制服などの男女で分けられているものへ疑問を抱いていたことをお話されました。「なぜ、女子生徒の制服はスカートなのか。自分はスカートを穿きたくなかった。」と幼いころの前田さんの本心を語ってくださりました。

前田さん自身、自分は男の子が良かったと思っていたため、髪の毛も短くしていたそうです。大人になってからは、男性ホルモン注射を打って、生理をとめ、男らしい体つきになりました。そうすると周りの反応は変わっていき、見た目が全てなんだと思ったそうです。見た目が男の人だから、外でお風呂も入れなかったという経験も語って下さりました。見た目だけではなく、戸籍上も男性にするため、タイで生殖機能を取る手術を行いました。

また、ご家族の話もしてくださりました。今のパートナーと出会ったとき、「1人の人として見てくれたこの人と一緒にいたい」と思ったそうです。『LGBTの人』ではなく、『人』として見てくれたことが、前田さんは嬉しかったそうです。

AIDという方法で子供を授かるも、親子は血のつながりが全てだといわれ、祝福はされませんでした。出生届も受理されなかったそうです。最終的には大阪の最高裁まで闘い、父親として認められました。現在の日本では、まだこのような人を認められるような環境ではありません。前田さんは、世の中にはさまざまな性の人がおり、このような人を理解することはできないと言われました。私たちができることは、このような人がいることを知ることと、何に不自由されているか考えることです。前田さんは、「男に生まれていたら、よかったと思う。でも、この体で生まれたからパートナーと子どもに会えたのかもしれない」と女性のからだで生まれたことを後悔していませんでした。

『違う性で生まれて大変』という声もあるが、悲しいだけじゃなく、楽しいことや幸せに思えることだってあり、前向きに思うことが大切なんだと語られました。そして、前田さんは、「本人が発信していることから情報を得てほしい、性に悩んでいる人と出会ったら、良い出会いをしてほしい」と講演を締めくくりました。

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