進路指導室だより11 令和5年12月18日3学年進路講演会

12月18日、3年生進路講演会を実施しました。講師にフランス料理人 小西忠禮様をお招きし、「扉を開けろ」という題で講演していただきました。卒業が近づいてきている今だからこそ聞いてほしい、「生き方」についてのお話でした。

高校卒業が目前に迫ってきている3年生に対し、何度も言われていたことは「志を持ちなさい」ということでした。他人がどうしているかではなく、自分がどうしたいのかが大事なのです。

情報が身の回りに溢れている昨今、他人の目を気にして今の常識に囚われがちです。しかし、常識を破ることで新しい世界が見えてくるのです。歴史に名を残してきた偉人も、その当時は常識外れと言われることをしてきました。誰に何を言われようと、「自分はこうしたいんだ」という志を持って行動し続け、結果として偉業を成し遂げてきたのです。

小西さん自身、志を持ち続けて夢を叶えてきた方です。学生時代はバレーボールに打ち込んできたスポーツ少年でしたが、事情により高校卒業後はバレーボールを諦め一度は企業へ就職しました。しかし会社勤めが合わないと感じた小西さんは会社を辞め調理士学校へ入学します。料理の世界では、一度社会人として働いたような年齢から始めるのは遅いと言われるそうですが、料理人になるという志でその道に足を踏み入れました。そして入学後最初の校長先生の訓辞でフランスのホテル・リッツ・パリの存在を知り、次なる志が決まったそうです。「志を持ち続ければ叶う」ということを体現し続けている人生を送られています。

これから社会に出ていく3年生に向けて、小西さんからの熱いメッセージもいただきました。それは「夢には大きいも小さいもない、もつことが大切。強い確信をもって思い続けよう」ということです。人生はやった分しか返ってきません。奇跡を起こしている人はそれだけ種を蒔いた人です。疑わずに信じ続け、「こうしたい」という思いを書いたり唱えたりして形にしていればいつか必ず叶うんだと伝えられていました。

「凡事徹底」平凡なことを誰よりもやり続け、非凡な人になることを願っています。

最後に、講演中に話題にされた詩を紹介します。小西さんが好きな詩だと言われていたものです。幸せな人生とは他人のために生きること。やってもらってばかりではだめで、やってもらった分は誰かに返していく。それが幸せなんだ、という小西さんの思いと一致するものです。

「生きているということは」  永六輔

生きているということは 誰かに借りをつくること

生きていくということは その借りを返していくこと

誰かに借りたら 誰かに返そう

誰かにそうしてもらったように 誰かにそうしてあげよう

講師紹介  小西 忠禮(こにし ただのり)氏

日本人として初めて、フランスのホテル・リッツ・パリで有給料理人として採用され、活躍された日本フランス料理界のパイオニア。1970年の大阪万博では、フランス館のスーシェフも務める。その後、ポール・ボキューズ、ホテル・プラザ・アテネ、アランシャペル神戸と、世界最先端の料理の世界を渡り歩く。

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