12月12日、GLiSの探究学習の活動の一環として、松谷化学工業を訪問しました。松谷化学工業は、「自然の植物から生まれたデンプンで豊かな生活を支える」という経営理念のもと、食品業界を中心に幅広い分野で事業を展開している、伊丹に本社を構える企業です。私たちは今回、その理念が製品や研究、そして社会との関わりの中で、どのように実現されているのかを学ぶ貴重な機会を得ました。
はじめに、企業概要と具体的な事業内容について詳しい説明をしていただきました。松谷化学工業では、デンプンを通して食品の食感を改良したり、品質を安定させたり、さらには健康への配慮にも貢献していることが分かりました。原料となるさまざまな植物の特性を活かしながら、用途に応じて機能を高めていく技術力に、企業としての強みと長年にわたる研究の積み重ねを感じました。

続いて行われた試食では、デンプンの有無や使用量の違いによって、同じ食品でも味や食感がどのように変化するのかを実際に体感しました。今回は、みたらしとチーズソースをそれぞれ三種類ずつ食べ比べました。口当たりのなめらかさや歯ごたえの違いは想像以上で、普段何気なく口にしている食品の裏側に、緻密な設計と工夫があることを実感しました。知識として学ぶだけでなく、五感を通して理解できた点がとても印象に残りました。

研究所の見学では、食品開発が実際に行われている現場を間近で見ることができました。研究員の方々が試行錯誤を重ねながら新たな価値を生み出していく姿から、ものづくりに対する真摯な姿勢と高い専門性を感じました。
最後には、GLiSの探究授業でこれまで考えてきたビジネスプランを発表し、実際に職員の方から直接アドバイスをいただきました。企業の視点からの具体的な意見は、自分たちの考えを見直すきっかけとなり、探究をより深める大きなヒントとなりました。今回の企業訪問を通して、学びが社会とどのようにつながっているのかを実感することができました。この貴重な経験を、今後の探究活動や学習にしっかりと生かしていきたいと思います。
