校長のつれづれブログ

不定期投稿です。お時間があるときに読んでいただけたら幸いです。

時計の話

 オリエンテーション合宿でこんな話をした。

 私は国語の教師なので、言葉の語源や成り立ちに興味がある。例えば「時計」。大学に入ったとき、言語学の教授が「時計は当て字」であることを教えてくれた。「時」という漢字には「とき」か「じ」という読みしかなく、「と」とは読めない。それではもとの字は。日本での時計の始まりは天智天皇が作らせたとされる水時計。その仕組みは、掘った穴に一定の水を流し込み、板に矢を刺したものを浮かべて、水位の変化で時間を計るというもの。そのメモリが「土」「圭」と読めるので「土(と)圭(けい)」という言葉ができた。メモリのままでは意味がわからないので「時計」と当てた。当たり前と思っているものの中にいろいろな謎が隠されている。君たちも「なぜ」という知的好奇心を持ってほしい。いろいろと調べていく中で納得がいく「気づき」に出会うはず。日頃の授業でも「なぜ」と「気づき」を大切にしてほしい。

 時代は大きく変化している。今まで当たり前であったことやものが当たり前でなくなる未来がそこまで来ている。日々変化の中で流されていると気づきにくいことだが、5年10年のスパンで見ると、その変化が実感できるはずだ。ポストコロナと呼ばれる時代は今までよりさらに速いスピードで社会が変化するであろう。その変化に柔軟に対応するためには人間としての度量が必要。「知識」を「知恵」に変え、「使う」力を身につけてほしい。

宿舎から見える大山
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