令和5年度 第3学期終業式講話
みなさんおはようございます。今日で3学期が終了します。1年生のみなさんは入学時の自分と今の自分を比べてみて、成長を実感できていますか。4月からは後輩が入学してきます。先輩として、そして、中核学年としての自分の振るまいがイメージできていますか。
2年生のみなさん。来年度は進路実現の年です。自分の将来をイメージした進路希望が決まっていますか。
最近、教育の世界で「メタ認知」という言葉がよく使われます。「メタ」とは高次元のという意味で、「メタ認知」とは自分自身をより高次元に認知する、わかりやすくいうと「客観的な自分」を持つということです。
私たちは自分の思いや感情を他者に説明するとき、「どうすればうまく伝わるだろうか」と考えて「自分」を整理します。このときの整理、すなわち社会化する行為が「メタ認知」です。
先ほどの話に戻ると、「自分は先輩としてどう見られるだろうか」とか、「自分の進路希望は実力や将来のイメージに見合っているだろうか」と考えることが「メタ認知」なのです。
「メタ認知」の力が身につくと、感情的に他者とぶつかったり、判断に迷ってパニクったりすることが減っていきます。また、自分の役割や立ち位置を理解して効率的に行動することができるようになります。
もう一つ、これも教育界でよく使われるようになった言葉に「非認知能力」という言葉があります。同じ認知に関する言葉ですが、意味は全く異なります。こちらは、他者が「私」を認知する際に数値的に認知できない力、例えば自己肯定感や忍耐強さ、自分を制御する力、集中力等を指します。こうした力は自己実現や、社会生活を営む上で必要となる力ですが、数値的に認知できないので、育成するノウハウも確立されていません。ではどうすれば育成することができるのでしょう。一つ効果的な方法だと言われているのは「夢中になれる」ものを見つける、ということです。みなさんゲームをしているときどうですか。うちの娘も「音ゲー」にはまっていますが、ゲームをしている最中は、大げさではなく、寝食を忘れています。あくまでゲームの中だけですが、集中し、耐え、成功体験を重ねています。この力がゲームの外の世界でも知らず知らずに役立っていくのです。
今日は「認知」に関する二つの話をしました。一つは自己認知の仕方について、もう一つは認知できない力の育成についてです。
どちらもみなさんが一回り大きく成長するために必要な力です。日頃の行動の中で、是非意識してもらいたい、意識し続けてもらいたいと思います。