令和5年度 第1学期 始業式 講話
みなさんおはようございます。先ほど着任式で新たにお世話になる先生方の紹介をさせていただきました。また、明日は転勤された先生方の離任式が予定されています。春は出会いと別れの季節です。気持ちを新たに、新年度を迎えましょう。三学期の終業式で「三つの初心」の話をしました。覚えていますか。まさに今がそのときです。今の心を忘れずにいてください。
さて、「三つの初心」もそうですが、故事成語や慣用句の中には言葉が省略されて意味が薄れているものがいくつかあります。例えば「石の上にも三年」がそうです。「辛抱していればやがて成功する」という意味ですが、本来は「石の上にも三年居れば暖まる」で、石のような冷たいものでも三年間座り続ければ自分の体温で暖まるという意味です。こう捉えると辛抱の重みが違うでしょう。
また、間違って用いられる例が多い慣用句に「情けは人のためならず」があります。「同情するとその人のためにならないからやめよう」という意味だと捉えている人はいませんか。正しくは「情けは人の為ならず、まわりまわって己が為」で、「人に親切にしておけば必ずよい報いがある」という意味です。そしてもう一つ。これは私個人として言葉が足りないと思う慣用句です。それが「やればできる」です。
みなさん、「やればできる」を言い訳に使っていませんか。「勉強なんてやればできるんや」って、思っていませんか。この言葉を言い訳に使ったとき、心の内に「やってできなかったらどうしよう」という不安があるのではないですか。私は「やればできる」に「こともある」を付け足して欲しいと思っています。実は世の中、いくら頑張ってもできない事ってある。でもそれはやってみない限りわからない。「やればできることもある」だろうからとりあえず挑戦してみる。そう考えるとネガティブな言い訳から解放されて前進できるように思うのです。
新学期はみなさん、ぜひ「やればできることもある」精神で、いろんな事にチャレンジしてください。