校長のつれづれブログ

令和4年度3学期 終業式 講話

 みなさん、おはようございます。3学期の終業式にあたり、私からお話をしたいと思います。

 1年生のみなさん。一年間を振り返って、高校生活はいかがでしたか。私はみなさんと一緒にオリエンテーション合宿に行きましたが、あの頃と比べて心身共にたくましく成長してくれたように思います。4月からはいよいよ高校生活の中核の学年です。部活に勉強に、充実した1年にしてもらいたいと思います。

 2年生のみなさん。みなさんとは修学旅行で、一緒に「宮古自慢」の旅を満喫させていただきました。あの大切な時間はきっとみなさんのパワーとして蓄えられていると思います。4月からはいよいよ3年生、進路実現の年です。地に足をつけて自分の将来に向き合ってもらいたいと思います。

 さて、そんなみなさんに、「三つの初心」にいてお話をしたいと思います。「初心忘るべからず」という言葉は、みなさん知っていますよね。これは今から約600年前の室町時代に、父の観阿弥と共に能を大成した世阿弥の言葉です。彼の著書「花鏡(かきょう)」には、実は三つの「初心」について記されています。一つ目は「是非の初心忘るべからず」で、現在の自分の善し悪しの判断基準となる、初心者時代の未熟さを忘れてはいけない、という意味です。二つ目は「時々の初心忘るべからず」です。これは、それぞれの時期における初心の段階を忘れてはいけないという意味です。三つ目は「老後の初心忘るべからず」で、年老いてからでも初めてのことがあるので、初心を忘れてはいけないという意味、つまり、「年老いたから終わり」ではなく、さらなる高みはあるという意味です。このように、三つの「初心」について高校生活を振り返ったとき、入学したときの自分、進級したときの自分、何か物事を成し遂げた時の自分、それぞれに「初心」を大切にしなければならないということが実感できるのではないでしょうか。

 4月から新しい「後輩」ができます。みなさんが「憧れの先輩」として活躍し、新しい学年を充実させるためにも、「是非」、「時々」、「老後」それぞれの「初心」を大切にしてもらいたいと思います。

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