京都大学学び 京都大学学びコーディネーターによる出前授業の実施 ~GLiS科学探究講座~

10月6日(木)6・7限の「サイエンスX探究Ⅰ」では、京都大学が高大接続・高大連携活動の一環として、全国的に展開している学びコーディネーター事業を活用したGLiS科学探究講座を実施しました。京都大学の大学院生の2人からそれぞれの現在研究されているテーマに即した授業をしていただきました。

●6限「今日から始める宇宙利用 ~あなたの街を宇宙から見てみよう~」
農学研究科 森林科学専攻 3回生 竹重 龍一さん

(概要) 衛星画像は無償で提供されており、インターネットなどを介して誰でも利用することができる。衛星画像に地形や植生などの情報を重ねていくことで、様々なことが視覚的に分析できるようになる。これにより、森林が減少している地域を探し、管理するようなことが行われている。特定の動物が生息しやすい条件を考えれば、『河童の生息地マップ』なども作ることができる。衛星画像はアイデア次第でどんな分野にも応用することができる。衛星画像だけでなく、解析ソフトや解析環境までもが無償で提供されている。少し勉強すれば高校生でも研究はできる。情報は能動的に取りに行くもの、しっかりと研究に励んでほしい。

生徒の感想から

・衛星画像は今までニュースなどで耳にするくらいであまり詳しくは知らなかったけれど、今回の講演で具体的な使い方などが知ることができました。特に印象に残っていることは人が入ることができない地域を衛星画像を使って見ることができるということです。スラム街など人が簡単に調査できない場所を衛星画像を使用して、人口を推定していることが知れました。実際にその画像を見てほかの地域との差がよくわかりました。初めて知る単語などが多かったけれど実際の大学に行っている方から話を聞く機会がありとてもよかったです。
・衛星画像は宇宙っていうイメージが自分の中にあったけど、衛星画像が活躍、利用される場は石油の貯蔵量の確認や、人口推定、地理情報システムなど、幅広いことがわかりました。衛星の種類が2つあり、それぞれ天候が関わってくるものだったり、災害に役立つもので、使い分けとかしてるのかなと思いました。
・衛星画像を用いた調査は、現代の技術を上手く使っていて興味深かった。能動のやつと受動のやつがあったけど、その二つを組み合わせることでより良いものができるのではないかと思った。今、BYODで一人1台の端末を持っているため、学校の授業や暇なときに、紹介していただいた無料アプリで宇宙についてよりくわしく知りたいと思った。

●7限「太陽系内に存在するプラズマのお話:太陽惑星系電磁気学」
理学研究科 地球惑星科学専攻 3回生 小谷 翼さん

(概要)「プラズマ」は固体・液体・気体とは異なる第四の状態である。温度を上げていくと、物質が電離した状態=プラズマになるが、宇宙はこれで満たされている。自然界のプラズマの例として、太陽・雷・彗星の尾・オーロラなどがあり、人工のプラズマの例として、蛍光灯・溶接・テレビ・ネオンサインなどがある。太陽からの太陽風もプラズマであり、地球の磁場によって太陽風から守られている。これが大気圏内に侵入してくると上空100kmより高い場所でオーロラになる。Oなら、赤。N2 なら、緑。OHなら、青というようにオーロラの色は、太陽風がぶつかる元素によって決まる。 人の頭のサイズにした地球が県高にあるとすると、熱気球と同じサイズの太陽が伊丹病院にある。また、地球の磁気圏は、傘と同じ程度になる。

生徒の感想から

・まず、この講演までプラズマという言葉も知らない状況だったのですごく難しい話だったけど、結構自然の中で言えば太陽、稲妻、彗星の尾、オーロラ人口的なもので言えば蛍光灯、ろうそくの火、テレビ、ネオンサインなど身近にあるものが例に挙げられていて興味がわきました。プラズマの中にもたくさんの種類のようなものがあって面白いなと思いました。また、オーロラの話を聞いていくたびにオーロラを自分の目で見て、これプラズマっていう個体でも液体でも気体でもない温度の高いものなんだなあと思いながら実際に見に行ってみたいなあとすごく思いました。
・プラズマという言葉は聞いたことはあっても仕組みや種類を知らなかったのですが、今回知ることができました。また、火山や津波で磁場が変化するということにも驚きました。綺麗で有名なオーロラの仕組みを知ることができました。オーロラが光るときに磁場が変化することや、地球の磁気圏に侵入してきたものがオーロラの元であること、Oは赤色、N2は緑色、OHは青色という風にオーロラの色の違いの仕組みもわかりました。また、惑星の規模を身近なものに例えた話では、地球と磁場圏や惑星との距離をわかりやすく感じることができました。
・今回の授業で小谷さんは太陽系を身近なものに例えて説明してくださいました。地球は女性の頭に、月はみかんに、地球の磁気圏は傘に例えてくださったので実際の距離や大きさで考えるよりもとてもわかりやすかったです。
小谷さんが学んでいる太陽惑星系電磁気学は研究対象範囲がとても広く、研究方法も多彩だと知りました。隣の机の人がどんなことをしているのかがわからないこともあるそうです。研究対象が地球の中だけではなく外もなのだと聞いて、こんなに幅広い学問なんだなとびっくりしました。オーロラの話だけでなくほかのお話も聞いてみたいなと思いました。 また小谷さんは、この学問に進んだのは流れ着いたからという風におっしゃっていましたが、特別なきっかけがあってもなくてもここまで極められるというのは本当にすごいと思いました。何かを極めるためにもまず私は色んなを知り学び、経験していきたいと思います。

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