北高 校長室から 209 電車内での善行

今朝、職員朝礼のために職員室に行くと、ある先生が私にこんな話をしてくれました。

昨日の帰り、腹痛があり、神鉄の電車内で腹部に手を当てるような姿勢をしていた。すると、北高の女生徒2名が近寄ってきて、「先生、大丈夫ですか?」と声をかけてくれた。「何かできることはありますか?」などとも。

その先生は、「いや、いいよ。ありがとう」とお礼を言ったそうです。その生徒たちは、「私ら『心配すること』しかしてへんやんな…」などとも言っていたとのこと。

これ以下は、その先生自身が感じたこと、推測ではありますが、「先日の唐櫃台駅での高齢者救助のことがあるから、自分たちも『(単に声をかけるだけでなく)何か具体的な手助けをするべきなのではないか』と思ったのではないか」と。

いや、その推測が正しくてもそうでなくても、「大丈夫ですか」と声をかけてくれるだけで、十分に立派な善行だよ!

今回は、「のじぎく賞」にはならないかも知れないけれど、私は、その話を聞いたとき、とっても暖かいものを感じました。今どき、いくら自校の先生にでも、(しんどそうにしているなと思っても)通勤時間帯の電車の中で「大丈夫ですか?」と声をかけてくれる高校生は世間にどれだけいるでしょうか。多くはないのではないでしょうか。

それから、もしその先生の推測が正しいとすれば、なんという「かわいらしい」気持ちの生徒たちではありませんか!

そんなわけで、今日は朝から一人心が和んだのでありました。私は、気持ちの中でその二人の北高生に、「のじぎく賞」を授与しました。

兵庫県立神戸北高等学校
校長 長澤 和弥