月別アーカイブ: 2014年5月

印僑と日本人

「遠い国」(小林紀晴)には、アジア各地のインド人街でのはなしが編みこまれている。
華僑は中国本土以外で生活する中国人を呼ぶ時によく使われるが、「印僑」という言葉をあまり耳にすることはない。(ちなみに日本語変換をしてみても、かきょう(華僑)はすぐに出るが(いんきょう)では一発変換してくれない)

ざっとみて、中国の人口12億、インド10億、日本1億2千万、マレーシア2300万。
こうしてみても面白い並びになるけれど、インド人は東アジアに住む日本人にとっては中国人と比較しても身近さはあまり感じられない。

マレーシアに渡ってきたインド人は南インドからの人達が多く、タミール語がよく話されているとのこと。インドではヒンドウー語がポピュラーな中、マレーシアのインド人たちには、文字も丸くなるタミール語となる。これも不思議なことだ。
自国ではない土地に中国人と似たような境遇でインド人がマレーシアに渡り住み着く歴史を知ると旅での感じ方も少し違ったものになってくる。

「遠い国」には、昭和初期、放浪する日本人詩人がマレーシアに流れ、どんな時間を過ごし、何を考えていたかということがところどころに描写してある。
「金子光晴」という名前だけは知っていたこの詩人は、中国人とインド人がやってきたマレー半島に同じように流れ着いた日本人、すなわち自分自身のことを書き残している。

小林紀晴は、金子光晴の文庫本「マレー蘭印紀行」を手に、金子が過ごしていたというジョホール州バトウパハの元日本人クラブを訪れる。
しかしながら、幾年もの時間が過ぎ、ようやくたどり着いたその場所で、小林は金子の幻影を見ることはできなかった。


蘭印

熱帯雨林研究所

体験学習で考えているプログラムも随時紹介していきます。

1つ目は、熱帯雨林研究所(http://www.frim.gov.my/)での体験です。

Forest Research Institute Malaysiaの頭文字をとってFRIM(フリム)といいます。

さて、そのFRIMに関わる問題です。

赤道付近の熱帯雨林では日本でなかなかお目にかかれない風景を見ることができます。

さて、では問題です。これは何でしょう?


frim0
わかりましたか?

これは、森の中でカプールという名前の木々を下から仰ぎ見ている写真です。

隣とぶつかりあった枝や葉っぱが、お互いの領域を邪魔しないように、自然にこのような形となり、上手に共存しているのです。

こういうものはやはり生で見てみたいものですね。

FRIMでは、熱帯雨林を下からだけではなく、上からも眺めることができます。


frim2

この写真では、5mの高さを示していますが、その高さに通路を渡し、熱帯雨林を上から体感できます。

下の写真はその回廊を上空から見ている写真です。


frim3
実際はどんな感じなのでしょうね。

果物の王様

果物の王様と呼ばれるのはこのドリアン。


f0321958_21434325

強烈にくさい匂い、とテレビで取り上げられたりしているので、知らないうちにマイナスのイメージがインプットされているかもしれませんが、単に嗅ぎ慣れていないだけのこと。ドリアン好きにはその匂いが思わずよだれたらりの「いい香り」となります。
いろんな情報からイメージをインプットされて壁を作り、本当はどうなのかを確かめる楽しさと自分の素直な感性を眠らせないようにしましょう。自分の鼻と舌でどう感じることができるのか。そこが旅の楽しさでもあります。是非、マレーシアで食べてみたい逸品です。


f0321958_21314759

果物の女王

日本ではどちらも馴染みがないですが、果物の王様がドリアンなら女王はマンゴスチンです。


mangismangis2
甘酸っぱくてさっぱり爽やかな味です。日本では1個300~400円くらいの値段がついていますが、現地では10個で100円しないくらいの値段です。厚い皮を割る時に少し爪が赤くなるのが楽しいです。

バツーケイブ

バツー洞窟

batu
クアラルンプールから北へ約10kmにある、ヒンドゥー教の聖地になっている洞窟です。272段の急な階段を上がると大鍾乳洞があり、いたるところにヒンドゥーの神々が、そして奥の寺院には聖者スブラマニアンが祀られています。


batu3
階段周辺には野生のサルが数多く生息していて、バッグや手にしている食べ物をひったくられるケースもあるので要注意です。階段を上がる際の飲食は絶対に避けましょう。

また、ヒンドゥー教の大祭タイプーサムもこの洞窟が舞台となり、信者たちが体のあちこちに針や串鉄を刺して行列する様は圧巻です。

batu2

ペトロナスツインタワー

f0321958_21375848

高さ452mを誇るオフィスビルです。クアラルンプールの近代化を象徴する建物として町のシンボルになっています。日本と韓国の建築会社によって建造され、1998年の完成から2003年までの5年間、世界で最も高いビルでした。この2本のビルは41階のスカイブリッジ(高さ170m)によって結ばれています。このスカイブリッジは一般にも公開されていて、ここからクアラルンプール市内の壮大な町並みが眺められます。
このビルの下には高級ブランドや伊勢丹、紀伊国屋などが入ったショッピングセンター、スリアKLCCが入っています。

朝食はロティチャナイ

インド風のパン、ロティ。日本でも馴染みのナンと違って、もう少し薄く弾力があります。
テータリッの作り方も独特ですが、ロティの作り方も見ていて飽きません。
生地を伸ばして薄くなってくると、そこにクルクルと回す技が盛り込まれ、ひっくり返しては天板にひっつけることを繰り返しながら、最後には広げた生地をスピーディーに四角に折りたたんでいきます。
これを焼き用の鉄板の上に投入し焼いていく行程には作り手独特のリズムがあり、それだけで食指が動きます。
とどめには、焼きあがったロティを天板の上で水平方向に左右の手でバコンと叩いてつぶすのです。
このロティをちぎって様々な種類のカレーソースにつけて食べるのがロティチャナイ。
カレーソースも、辛いのから辛さ控えめのものまで店によっていろいろ。
写真のセットは、ロティチャナイとテータリッで合わせて約50円という安さ。
マレーシアでは朝食やおやつとして食べるのがポピュラーな食べ方です。

f0321958_22234489
ロティの作るところを見ているのも飽きません!

マレーシアのミルクティー(テータリッ)

テーはマレー語で紅茶。タリッは「ひっぱる」の意味。
香辛料の入った紅茶をコンデンスミルクとを混ぜ合わせる飲み物です。
日本人には甘すぎる飲み物かもしれませんが、常夏の地ではこの甘さがなんとも口になじむと思います。
このテータリッはマレーシアではパフォーマンスの大会があり、二人1チームでのあわせ技もあったりと、かなりの盛り上がりを見せています。街中の小さな店で見られたらいいですね。

teatarik
テータリの技を一度ご覧下さい!

 

マレーシアは多民族国家

1911年時点での人口比率は、マレー人53%、華人34%、インド系10%。独立後最初の内閣はマレー人6、華人3、インド系2で構成され。人口比とほぼ同じです。
「ラーマンとマハティール」(岩波書店)によると、多民族国家形成の裏側には以下のような歴史があります。
英国人:200年続いた英国の植民地支配。独立後も貿易・金融を握る。
中国系:英国とのアヘン戦争で敗戦した中国からの移民が認められ、スズ採掘の出稼ぎに来て定着し、その勤勉さからマレーシアの商工業を支配する。
インド系:英国は、アマゾンから持ち込んだゴム苗木でマレーシアを世界一の天然ゴム産出国に変えたが、ゴム農園の労働者として英国植民地から連れてこられた。

◎植民地支配とスズ・ゴムの2大産業により多民族国家は形成された。

<中国の佛教寺院>

china

<ヒンドウー教のスリ・マハ・マリアマン寺院>

hindhu

<イスラム寺院・マスジットジャメで昼寝をするイスラム教徒>

musk

<英国統治時代の建物>

british