「マレーシア修学旅行2015」カテゴリーアーカイブ

リオ五輪サッカーアジア1次予選はじまる

shah alam stadium
マレーシアのクアラルンプールにあるシャーアラムスタジアムは、1996年3月24日、アトランタ五輪予選準決勝で、キャプテン前園率いるサッカー日本五輪代表がサウジアラビアを2-1で破り、メキシコ大会以来28年ぶりの五輪出場権を獲得することの出来た歴史的なスタジアムです。
1996年は、日本のサッカー史上、ドーハの悲劇(94米W杯)とジョホールバルの歓喜(98仏W杯)のちょうど中間年。まさに、日本が世界に飛び出していこうとする時代でした。
(*ジョホールバルもマレーシアです)

そのシャーアラムスタジアムで、3月27日からリオデジャネイロ五輪のサッカーアジア1次予選が始まります。
アジアのグループ分けは以下のとおり。
A組 イラク オマーン バーレーン レバノン モルディブ
B組 ヨルダン クウェート キルギス パキスタン トルクメニスタン
C組 サウジアラビア イラン ネパール パレスチナ アフガニスタン
D組 UAE イエメン タジキスタン スリランカ
E組 シリア ウズベキスタン インド バングラデシュ
F組 オーストラリア ミャンマー 台湾 香港
G組 北朝鮮 タイ カンボジア フィリピン
H組 韓国 インドネシア 東ティモール ブルネイ
I組 日本 マレーシア ベトナム マカオ
J組 中国 ラオス シンガポール モンゴル
各組の1位および、同2位のうち上位5カ国と、開催地のカタールが2016年1月の最終予選の出場権を得ることになります。
奇しくも、日本のいるI組には地元マレーシアも入っていて、マレーシア在留日本人の方々からは、大応援団で日の丸を持ちスタジアムに乗りこむ意気込みが聞こえてきています。

試合の日程は以下のとおり。
3月27日(金) 17:00 日本-マカオ 21:45 マレーシア-ベトナム
3月29日(日) 17:30 マカオ-マレーシア 21:15 ベトナム-日本
3月31日(火) 21:45 日本-マレーシア 18:00 ベトナム-マカオ
※場所はマレーシア、シャーアラムスタジアム。試合開始は日本時間

U22日本代表23人は以下のメンバー。
▽GK櫛引(清水)牲川(磐田)中村(福岡)
▽DF松原(新潟)山中(柏)亀川(福岡)奈良(FC東京)岩波(神戸)植田(鹿島)
▽MF大島(川崎)遠藤(湘南)原川(京都)矢島(岡山)野津田、吉野(以上広島)中島(FC東京)豊川(鹿島)秋野(柏)
▽FW荒野(札幌)久保(ヤングボーイズ)鈴木(新潟)浅野(広島)南野(ザルツブルク)
※DF神戸の岩波選手は須磨区東落合中学出身。

タイプーサムはじまる

ヒンドウー教の祭り、「タイプーサム」が始まりました。
以前書いたように、本国インドでももう行われていない奇祭です。
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<マレーシア政府のWEBサイト「Malaysia Truly Asia」より>
Happy Thaipusam to all our Hindu friends!
If you would like to truly experience the spirit of Thaipusam, why not visit the Batu Caves temple?
With a total number of 272 steps up to the cave itself, this is the most famous place for Thaipusam celebration in Malaysia!

先週の下見報告会で見た、あのバツー洞窟です。
よーく見ると、272段の階段を上がっていく人々のひしめき合う小さな姿を確認することができるはずです。
ここに200万人の人達が訪れるなんて想像できませんね。

同じく、WEBサイト「マレーシアマガジン」では、動画を見ることもできます。
http://www.malaysia-magazine.com/movie/6715.html

宗教色強いお祭りが今もきちんとおこなわれているなんて、やはり世界は広いですね。

下見報告会

1月29日、12月にクアラルンプールの下見報告会をおこないました。IMG_1082
報告は入江先生より。
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村での生活の様子や、食べものの写真を眺めながら説明を聞いていくにつれ、少しずつ表情や反応に穏やかな雰囲気が出てきていました。
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知らなかったことで出来上がっていた自分を守る壁のようなものが、知ることで少し低くなる、そんな感じかもしれません。

現在検討中のコースは大きく分けて4つ。
1 ホームステイコース
2 ホームビジットコース
3 国際協力コース
4 熱帯雨林コース

2、3、4のコースでは他に、バティック(ろうけつ染め)製作、マレーダンス、マレー料理、ピューター体験などの体験プログラムを選択することになる予定です。
今回予備調査をした上で詳細について検討を加え、2年生の1学期に本調査を行います。

Dua tahun berada di Malaysia            マレーシアでの2年間

1月20日(火)、第2回マレーシア講演会を行いました。
今回の講師は69回生学年副主任の小倉淳資先生です。
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小倉先生は、神戸高校在職中の1998年から2000年までの2年間、マレーシア・クアラルンプールにある国立マラヤ大学で、日本への留学を控えている学生達に化学を教えていました。マレーシアのルックイースト政策(日本・韓国を見習って国を発展させよう)、プミプトラ政策(マレー人優遇政策)の歴史的な流れを受け、日本の国立大学(主に工学部)でマレーシアの若者が学ぶことができるよう計画された日本の国際協力事業に参加したのです。
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写真の中の学生達の目は優しく輝いていました。
マレーシアの大学生が日本語で理科や数学を学ぶ姿を自分の目で見た時、私達は一体何を感じるのでしょうか。小倉先生があんな眼をしたマレーシアの若者たちと過ごした2年の時間を想像した時、「百聞は一見に如かず」なんだろうなと思わずにはいられません。そして、未知なるものへの好奇心が益々ふくらみました。
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神戸高校で勤務していた時に回ってきた一枚の応募用紙に、自分の中の何かが反応し、クアラルンプールまで行きついてしまいました、と小倉先生は講演の最後で話をしていました。
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「その時の自分の判断は間違っていなかった。チャンスは目の前をいつも漂っているけれど、そこに手を伸ばすのは自分の意思。これからの人生でチャンスだと感じ、そこに思わず手を伸ばしてしまう何かをマレーシアの修学旅行で掴んで欲しい」、という生徒たちへのメッセージが小倉先生の話の根底には流れていた気がしています。

いつのまにか日本を外から見ている自分がいたことについても話をされていました。
外国に出ることは、逆に日本のこと、自分自身のことを見つめることにもなる、と。
なんだか不思議な感覚なのでピンと来ないかもしれませんね。
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講演の最初に流れたFM COCOLOのラーマンさんのマレー語は、今の私達には全く聞きとることができませんでした。

 

下見点描

12月6日~10日の間、1年後に実施されるマレーシア修学旅行の下見のためクアラルンプールを訪問しました。気温は30度を越え、夕方から夜にかけて熱帯特有の激しいスコールも出迎えてくれました。
生徒向け下見報告会は1月に予定していますのでどうぞお楽しみに。
今回は少しだけマレーシアの風景をお届けします。

まずはホームステイコースで訪問するバングリス村の様子。
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珍しいフルーツの数々。
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ヒンドゥー教のバツー洞窟寺院
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クアラルンプールの風景
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第1回マレーシア講演会   「アパカバー?」        (元気ですか)

12月15日(月)、マレーシア政府観光局のABDUL RAHMAN(アブドウゥル ラーマン)さんが来校されました。
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講演はマレーシアの概要説明や、マレー料理、中国料理、インド料理など美味しい民族料理や珍しいフルーツの紹介から始まり、ホームステイで村を訪れた際に気をつけておくべき注意点にまで及び、内容は多岐に渡りました。
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最後はマレーシア語の簡単な挨拶を紹介して下さり、生徒達は一緒に声に出して初めてのマレーシア語の響きを体験しました。
おはようございます 「スラマッ パギ」
こんにちは      「スラマッ トゥンガハリ」
ありがとう       「テリマカセ」
どういたしまして   「サマサマ」
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ラーマンさんは来日15年のマレー系マレーシア人。
奥様が日本人ということで、子供たちが大きくなったらまたマレーシアに帰るつもりですと話していました。
また、ラーマンさんはFM COCOLOで毎週土曜日の朝、5時から1時間、「FROM OVER SEA -MALAYSIA-」という番組で、日本語とマレー語、英語を使ってDJ(ディスクジョッキー)を担当しています。
早朝の番組ですが、耳ならしのためにも是非聞いてみましょう。
少しずつマレーシアが近づいてきます。
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ハラルフード

イスラム教の人達には、戒律の上で禁じられていることがある。

してはいけないこと(犬を触ってはいけない)、
食べてはいけないもの(豚肉を食べてはいけない)、
飲んではいけないもの(アルコールを飲んではいけない)、などなどわたし達の日常生活に照らし合わせると「 ?! 」となるものがたくさん見られる。
「何故?」とイスラム教徒(モスリム)に質問したとしても答えは簡潔明瞭、
「イスラム教徒だから」である。

東京大学の学生食堂に、「ハラルメニュー」と書かれた献立があるという。
約3000人いる留学生のうち、イスラム圏出身者が200人以上いるという状況で、イスラム教徒が安心して食べられるものをと要望が強かったことから取り入れられた経緯があるようだ。
モスリムは、戒律上適切な方法で畜殺されていない家畜や、豚肉およびそれに由来する食品を食べることを禁じられている。
そのため、イスラム圏では「この食品はイスラム教徒が食べるものとして許可する」という印として「ハラルマーク」を付けている。

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数年前のこと。

我が家にマレーシアの女性教師がホームステイした際、彼女の大きなカバンの中には、ハラルマークのついたインスタントラーメンが10個以上、それにビスケットが数箱入っていた。もし、日本に行って食べるものがなかったら、と考えた末、彼女なりの旅の準備をしてきていたのだ。

学生食堂でハラルのそばやうどんまで提供されるようになってきている今、好奇心旺盛な東京大学の学生達は、時にハラルのうどんを食べ、「何が違うのだろう」と異文化体験をしているに違いない。

出前一丁トムヤム味

現地からのマレーシア情報

マレーシアで生活している方々が、現地の情報を詳しく紹介しているサイトがたくさんあります。
その中から、特に興味をそそられ、綺麗な写真で構成してあるHPを取り上げてみました。

1 Malaysia Guide 「マレーシアガイド」

(通貨や両替などのタウン情報からKLIA・KLIA2・LCCT空港ネタなど情報満載です)

http://malaysiajp.com/index.html

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2 マレーシアごはんの会

(マレーシアごはんを食べながら、マレーシアをもっと身近に感じる)

http://www.malaysiafoodnet.com/index.html

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「マレーシアへの海外修学旅行とは楽しみですね。渡航時期11月なら、日本は晩秋から初冬の時期ですね。この時期にマレーシアに旅をすると空港のロビーを出た瞬間に常夏のムッとする湿気を帯びた熱風と、色とりどりに咲くトロピカルな花に生徒さんは目を奪われることと思います。大変、いい時期に旅行されるのではないでしょうか。」(「マレーシアガイド」のTONYさん)

「見ていただいた生徒さん達が、マレーシアでそのマレーシアごはんを見つけてくれたら嬉しいですね。」(「マレーシアごはんの会」三浦さん)

と、それぞれメッセージを頂きました。

ランブータン

ランブータンはマレー語で「髪の毛」。その名の通り、もじゃもじゃのちょっと気色悪い姿ですが、中にはライチに似た実が隠れています。
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パカッと皮をむくと白い果実が現れ、その中には大きめの種があります。実だけならばシロップ付けなどにして冷やして食べるとおいしい気がしますが、実物を手にとって食べると、常温のほうがおいしく感じられます。
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マレーシアのジョホール州に行った時、コタティンギという街で見かけたマーケットの果物屋台には、日本では見かけない物ばかりが並んでいました。
手前の白っぽいのはドゥクと呼ばれるもの。続いてマンゴスティン、ランブータン、ドリアンと並んでいます。地元の人だけなので値段は格段に安く、ドリアン1ケが100円ちょっとの驚きの値段でした。(1RM=約35円)
元町1番街の果物屋さん(サンワフルーツ)には、時々ドリアンが並んでいます。一度、覗いて値段を比べてみて下さい。大きさの違いはあるものの、値段の大きな開きに経済の仕組みを実感する人もいるはずです。
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アルジェリアの敗因は

アルジェリアのW杯が終わった。

試合終了後、Webには以下のような記事が出ていた。
『W杯 アルジェリア「断食」に泣く GKエムボリ、負けてもマンオブザマッチ』
スポーツ報知7月2日(水)配信
決勝トーナメント1回戦 ドイツ2─1アルジェリア(6月30日・ベイラリオ競技場)
(略)アルジェリアはドイツ相手に善戦したが、延長で2点を失い力尽きた。前半はペースを握ったが、イスラム教徒の選手たちは日中は飲食できない「ラマダン(断食月)」中。後半30分を過ぎるとDFハリシェが足をつるなど限界に達していた。(略)

『W杯 断食月…アルジェリア限界、ピッチに倒れ込んだ選手たち』
産経新聞 7月1日(火)配信
(略)だが、体を張った守備と走力に任せた攻撃は、延長に入って限界に達した。先制点を奪われると、ラマダン(断食月)で日中は飲食ができない選手に試合をひっくり返す余力はなかった。「強豪相手に勝てるチャンスがあったのに、2ゴールを許してしまったのは残念」とエムボリ。しかし、大健闘には違いなかった。

この2つの記事を読むと、日本人記者はアルジェリアの敗因は「断食」にあり、と結論づけているかのようだ。

一方、アルジェリアの監督が前日の記者会見で発言したことをイギリスBBCは以下のように伝えている。

『アルジェリア代表ハリルホジッチ監督、ラマダンに関する質問に怒り』
(略)記者会見でも主な話題の1つになったラマダンだが、ハリルホジッチ監督はサッカーにのみ集中していることを強調。そして、ラマダンは「選手のプライベート」であると述べ、質問を投げかける記者に怒りをあらわにした。
「これはプライベートな事柄だ。それに関する質問は、尊敬と倫理が欠如している」、
「チームにイスラム教の選手がいることは初めてではない。私もイスラム教徒だ。する(断食)選手もいるだろう。だから、この質問は終わりにしたい。(会見中に)ラマダンの話はしない。もし質問するのであれば、私は退席する」

人間は、自分の常識から外れるものに対してどう考え、対処してしまうか、というわかりやすい例がここに隠されていると私は思っている。
「日中飲食できない人間=サッカーの試合で負ける」、という公式が当然と考える自分の常識。
その自分の常識から外れてしまうものに対して想像力が働かなければ、「断食をする人間は、普通ではない」という公式から前に進むことはできなくなる。
小さい頃から毎年繰り返しおこなっている断食も、本人にとっては宗教上必要とされる行為であり、1日5回の礼拝が日常であるように、断食もまた日常のひとつでなんら特別なものではない。
自分と違う他者を理解するということは、具体的にはこういうことなのだと思う。

去年の12月。全国高校ラグビー選手権大会に埼玉県立浦和高校が54年ぶりに出場し注目を浴びた。
今年も東大に現役で17名も合格している超進学公立高校の全国大会出場にマスコミも大きく騒いだ。まして、センター試験の3週間前という時期から大会はスタートするのである。

「マスコミの取り上げ方には腹が立つ。ラグビーの試合をするのに学校の偏差値や東大合格者の数なんて全く関係ない」
浦和高校関係者のそんな声がそのときわたしの耳に届いた。
アルジェリア代表監督のことばに、そのときの思いがふと心をよぎった。