イスラム教の人達には、戒律の上で禁じられていることがある。
してはいけないこと(犬を触ってはいけない)、
食べてはいけないもの(豚肉を食べてはいけない)、
飲んではいけないもの(アルコールを飲んではいけない)、などなどわたし達の日常生活に照らし合わせると「 ?! 」となるものがたくさん見られる。
「何故?」とイスラム教徒(モスリム)に質問したとしても答えは簡潔明瞭、
「イスラム教徒だから」である。
東京大学の学生食堂に、「ハラルメニュー」と書かれた献立があるという。
約3000人いる留学生のうち、イスラム圏出身者が200人以上いるという状況で、イスラム教徒が安心して食べられるものをと要望が強かったことから取り入れられた経緯があるようだ。
モスリムは、戒律上適切な方法で畜殺されていない家畜や、豚肉およびそれに由来する食品を食べることを禁じられている。
そのため、イスラム圏では「この食品はイスラム教徒が食べるものとして許可する」という印として「ハラルマーク」を付けている。
数年前のこと。
我が家にマレーシアの女性教師がホームステイした際、彼女の大きなカバンの中には、ハラルマークのついたインスタントラーメンが10個以上、それにビスケットが数箱入っていた。もし、日本に行って食べるものがなかったら、と考えた末、彼女なりの旅の準備をしてきていたのだ。
学生食堂でハラルのそばやうどんまで提供されるようになってきている今、好奇心旺盛な東京大学の学生達は、時にハラルのうどんを食べ、「何が違うのだろう」と異文化体験をしているに違いない。