あなたはどの宗教を信仰していますか、と尋ねられて、「わたしは(我が家は)○○教です」と答えられる人の割合は夢野台高校ではどれくらいあるでしょう。
たくさんの日本人が、結婚式はキリスト教のチャペルでおこない、お正月は神社でお賽銭を投げ、柏手を打ちます。そして、死んだ時には、我が家は真言宗だからと、般若心教を唱えるお坊さんがやってきて死者を弔います。これを、信仰心厚い外国人が、度を超えた振る舞いだと見たならば、日本人の信仰心には節度がない、と感じることになるのかもしれません。
「千と千尋の神隠し」には、八百万の神(やおよろずのかみ)が出てきます。トイレにも、お米の一粒にも神様が宿っているとする国が日本です。自然と共に暮らし、自然に存在するものを崇拝する気持ちの強かった我々の祖先にとって、イワシの頭も信心からと捉え、節度がないのではなく、自然の前では人間は謙虚にならざるを得ないのだ、という教えから学んできた生きる術だったのでしょう。日本には日本独特の信仰心が根付いているのだと思います。
世界の宗教の割合は信者の数でざっと比較すると、キリスト教33%、イスラム教20%、ヒンドゥー教13%、仏教6%となります。
多民族国家マレーシアを見ると、マレー系の人々=イスラム教、中国系の人々=仏教、インド系の人々=ヒンドゥー教という構図になり、それぞれがきちんとそれぞれの戒律にのっとった生活をしています。イスラム教徒には年に一度断食をする期間があり、ヒンドゥー教徒はインド本国でも禁止されているタイプーサムという奇祭を今も毎年おこなっています。
マレーシアのことを学びながら、あまり普段は気にすることのないこの宗教のことについても少しずつ知識を増やしていきましょう。
将来、職場のデスクの横に座っている同僚がイスラム教徒ってことも起こり得る時代です。
