村高DAYS 37 修学旅行(2)事後レポートより

 村高DAYS 37、38、39に修学旅行後に提出のレポートを掲載します。ここには、生徒が今回の旅行で一番心に残っていることを書いています。

 最初は2~3人ほどを載せるつもりでした。しかし、どのレポートも大変素晴らしかったため多くの方に読んでいただきたいと思い、急遽3回にわたって掲載することにしました。ちなみに、一番多かった内容は戦争・平和と民泊です。

*レポートの全文、もしくは一部を載せています。

  「当たり前じゃない日常ー ー沖縄で感じた 命どぅ宝」上垣 愛結

 沖縄へ行く前は、修学旅行といえば楽しいものだと思っていました。友達と一緒に飛行機に乗って、観光地を巡り、おいしいものを食べて、写真をたくさん撮ってと、そんな楽しい思い出を作る時間になると想像していました。けれど、実際に行ってみて、一番心に残ったのは、楽しさの中にも考えさせられることが多くあったことでした。

 特に印象に残ったのは、1日目に訪れた「ひめゆり平和祈念資料館」です。そこには、これまで教科書や授業でしか知らなかった沖縄戦の現実が、写真や映像、展示物として目の前に広がっていました。地下壕の模型や、実際に戦争に参加したひめゆり学徒たちの証言映像を見て、私は大きな衝撃を受けました。

 証言の中で、私たちと同じくらいの年齢の女の子たちが看護要員として戦場に送られ、爆撃の音や負傷者の叫び声の中で毎日を過ごしていたことを知りました。寝ることも食べることもできず、仲間が次々と亡くなっていく様子が語られていて、その声は静かでしたが、とても重く心に響きました。

 特に胸に刺さったのは、「ただ生きたかった」「友達と普通に学校に通いたかった」という言葉です。私はふだん、テストの点が悪かったとか、友達とうまくいかなかったことで悩んでいます。でも、その時の人たちは生きることそのものがどれほど難しく、切実な願いだったのかと思うと、今自分がいるこの環境がどれほど恵まれているのかに気づかされました。

 資料館では、「命どぅ宝」という沖縄の言葉を知りました。「命は何よりも大切な宝物」という意味だそうです。この言葉を聞いたとき、私は初めて、普段の生活がどれだけ当たり前ではないかを実感しました。家に帰って家族とごはんを食べられること、友達と笑いあえること、夜安心して眠れること、そうした一つ一つが本当に大切なことなのだと深く感じました。

 この経験を、これからの生活の中でどう生かしていくべきかを考えました。まずは、今ある日常にもっと感謝すること。そして、誰かと意見がぶつかったときでも、相手の立場や気持ちをしっかり考えることを大切にしたいと思いました。戦争は、もしかしたらそういった小さな対立やすれ違いが積み重なって起きるものなのかもしれません。沖縄の海や空はとてもきれいで、風景は本当に美しく、心が洗われるようでした。でも、その美しさの下には、たくさんの人の悲しみや苦しみが眠っていることを、私はこの修学旅行を通じて知りました。沖縄に行かなければ気づくことができなかった多くのことを、私は肌で感じることができました。

 修学旅行はただの観光ではなく、自分自身を見つめなおす大切な時間でした。沖縄で感じたこと、学んだことを忘れず、これからも一日一日を大切に生きていきたいと思います。

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「100万円の修学旅行」    岡田 瑛太

 今回の沖縄への修学旅行は、まさに「100万円分の価値がある」と思えるほど、心に残る体験ばかりでした。初めて訪れた沖縄は、美しいコバルトブルーの海と美しい色彩の自然、そして沖縄特有の文化や歴史にあふれていて、行く前のイメージをはるかに超える感動がありました。特に印象に残ったのは、平和祈念公園とひめゆりの資料館を訪れた時です。事前学習で学んだことも多々あり、戦争の悲惨さや命の重みを改めて考えさせられ、今こうして当たり前のように過ごしている平和な日常を生きられていることのありがたさを実感しました。また、沖縄では「命どぅ宝」という言葉を大切にしていて、戦争で亡くなった多くの人々を尊重しているのが伝わりました。自分では知っていたつもりでも、現地を訪れることで、戦争の悲惨さや痛み、虚しさなど本当に言葉では表せないような感情がわいてきました。

 次に、美ら海水族館では沖縄の海の豊かさを感じ、サンゴの大切さや自然保護の重要性について学ぶことができました。伊江島の現地の人との交流や沖縄料理の体験も、普段の生活では味わえない貴重な時間でした。実際に「おばあ」と呼んで家族のような触れ合いで、温かさに心を打たれました。最後の別れは少し悲しかったです。それだけ人とのつながりを大切にしているのが直に伝わりました。

 この修学旅行を通して、見て、聞いて、感じて学んだことは、一生忘れないと思います。よく遊びよく学ぶ、自分の考えや感じ方を改めて見つめ直す旅でした。この経験を、自分の将来に繋げていきたいです。

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井口 音乃

 沖縄のひめゆりの塔を訪れたとき、私は深い悲しみとともに戦争の悲惨さを強く実感しました。ひめゆりの塔は、第二次世界大戦中に沖縄戦に巻き込まれ、多くの若い看護婦たちが命を落とした場所です。女子生徒たちの名前や写真を見ることで、ただ歴史の1ページではなく、一人ひとりの人生が奪われた現実を改めて思い知らされました。

 戦争の話を聞いたとき、私はただ胸が痛みました。女子生徒たちが経験した過酷な状況や、命の危険にさらされながらも人々を助けようとした勇気、その一方で勝つため守るために自分の命を投げ出さなければならなかった人、無意味な死と破壊の現実に心が揺さぶられました。戦争はただの軍事的な争いではなく、多くの人間の命や未来を奪うものであることを身にしみて感じました。また、戦争の悲惨さを学ぶことで、平和の尊さを改めて実感しました。<中略>まずは多くのことを学び、戦争や平和についての理解を深めていきたいと思います。そして、身近な人とのかかわりを今以上に大切にし、思いやりや協力する心を育てていきたいです。さらに、地域や世界の問題に関心を持ち、何かできることを見つけて積極的に行動していくことも重要だと感じました。

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