マレーシアより 09 伝統の布
皆さんこんにちは。今回はマレーシアの伝統的な布を紹介したいと思います。その布の名前は、『バティック』といいます。バティックとは、『ろうけつ染めの布』のことです。『ろうけつ染めの布』とは、専用に織られた木綿の生地に、蝋(ろう)で模様を描き、蝋で仕切られたそれぞれの部分に色をおとすことで色を付けていき、作られる布のことです。18世紀頃、インドから伝わった工芸品で、今ではマレーシア独自のバティック文化ができています。
マレー半島の東海岸沿いで多くつくられ、マレーシアやインドネシアなど、それぞれの土地ごとに特徴があります。
マレーシアでは、バティックを使った服やハンカチなど多くの製品がつくられています。現在では、シャツなどの服の生地は木綿だけでなく、他の素材でもつくられています。熱帯の気候で身に付けるため、熱い中でも快適なように、シルクや化学繊維などでも作られるようになりました。
バティックの特徴を述べてきましたが、それぞれの国によって違うバティックの特徴があります。それは『柄』です。マレーシアのバティックは、ハイビスカスや蘭(らん)などの熱帯植物や蝶、果物など色鮮やかで、美しい柄が描かれます。
マレーシアに来て初めてバティックが売っているお店に訪れたとき、あまりの色鮮やかさに驚かされました。南国の雰囲気を表す柄が多くあり、様々な色鮮やかな柄が目に入った瞬間、日本人の『感性』や『表現の仕方』とはまた違った、ものの『見方』や『感じ方』があるように感じました。
では、私が買ったバティックをいくつか紹介したいと思います。まずは、シャツを紹介します。お店のおじさんがまけて下さり、どれも80~90RM(リンギット)(日本円で、2,000~2,300円程度)で購入しました。
初めて買ったシャツがこちらです。
このシャツはシルクでできています。とても肌触りがよく、着心地が良いです。綿のシャツよりも涼しく感じます。
2つ目のシャツはこちらです。
このシャツは、綿でできています。背中の模様が前面と異なり、着るとオシャレです。
次のシャツも、同じような柄になります。
私はマレーシアに来て、上の3着のシャツを買いました。3着買った理由は、普段に着る以外に、職場でも毎週木曜日は職員がバティックを着ても良い日と定めてあるからです。木曜日は多くの職員がバティックを着て仕事をします。職員室では教員の服がカラフルで楽しい気持ちになります。着ている私自身も、いつもよりウキウキした気分になります。
一つ思うことは、この柄を日本に帰ってから着れるでしょうか。今はマレーシアで生活していますので、普段何気なく着ていますが、日本で着ると目立つでしょうか。皆さんは、日本で着れると思いますか。特に2番目の青いシャツは日本で着れると思って買ったのですが、冷静に考えてみるとかなり派手なような気がします。ただ、この美しい柄は楽しい気持ちにしてくれますので、機会があるときは、日本でも着たいと思います。
シャツ以外の製品をいくつか紹介します。
まずは、マスクです。青い方のマスクは、現在着けています。
次は入れ物です。
マスクを買ったときに、左上のポーチに入れてくださいました。他の青い2つは、マスクケースです。どちらもサービスでついていました。
次はハンカチです。
1枚の値段は日本円で280円ほどでした。どれもとてもきれいな柄だと思います。皆さんは、どの柄が気に入りましたか。お店には多くの美しい柄があり、選ぶのに時間がかかりました。
付箋もあります。

今回の、『バティック』はいかがだったでしょうか。日本の伝統的な柄とはまた違った、南国らしい雰囲気が伝わってきたと思います。
布一つをとっても、伝統や文化の違いを感じ取ることができました。これからも、マレーシアの伝統や文化を、様々なことを通して、お伝え出来ればと思います。
今回も読んで頂き、ありがとうございました。引き続き読んで頂ければ嬉しいです。
AAJ
マレーシア派遣教諭