LRTTER ~ 親愛なる皆様へ ~8 しあわせについて

 2学期の始業式で、レスリング女子フリースタイル50㎏級 須崎優衣選手の銅メダルについて話をしました。
大会の後、本人のInstagramに
「オリンピックチャンピオンの須崎優衣でなかったら私には人としての価値はないと思っていました。」
という言葉がありました。
金メダルを取るという目標が、金メダル確実と期待されるようになり、知らず知らずのうちに、オリンピックチャンピオンの須崎優衣でなければ世の中に認めてもらえない、と考えるようになっていったのかもしれません。負けたときには、全てを失ってしまったという思いになっていたのかもしれません。


しかし、この文章には続きがあります。
「だけど、負けたにも関わらず世界中から励ましの温かい言葉やそれでも私を信じてる、これからも応援してくれるという言葉をかけてくれました。どれほど心が動かされ、どれだけ心が救われたか、また前を向いて頑張ろうという気持ちにさせて頂けたか計り知れません。」と書かれています。

須崎選手が期待通り金メダルを取っていたらきっと「しあわせ」を感じたでしょう。マスコミからもっと大きく取り上げられていたはずです。
しかし、今回の銅メダルでは、何か質の違う「しあわせ」を感じているのではないかと思うのです。金メダルの歓喜よりも、もっと静かで深い「しあわせ」を感じているのではないかと思うのです。
氷上高校の生徒に「しあわせ」について考えてほしくて、始業式でこんな話をしました。

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