9月30日(土)、京都大学大学院アジアアフリカ地域研究研究科准教授の山越言さんを招いて自然人類学からのお話「野生チンパンジーから見た人類」をして頂きました。
特に、チンパンジーの食に注目して話が進みました。主食は多くの人が知るように果実ですが、小型のサルを捕食したり道具(木の枝)を使ってアリを食べるが、穀物やイモ類は食べないなど、私達がイメージとして持っている「バナナの好きなチンパンジー」とは違った側面に一同びっくり。
人類は、火を使って調理をするようになり、穀物などを消化効率よく栄養分を摂取できるようになりました。また、それにともない霊長類に比べて脳が大きく消化器系は小さくなるように進化したそうです。このようなことから、最近の「糖質制限食」といった穀物を控えるダイエット法が「自然食」と言えるのかと問いかけました。
講義後の生徒の感想として「チンパンジーがなぜ道具を使ってアオミドロを食べるのか、好き嫌いはあるのかなどの、今の研究では分からないことがあって、自分も興味をもちました」、「人間とチンパンジーのDNAが98%も一緒だということにすごく驚きました。そして、違う2%がどのような影響を与えているのかがとても気になりました」。いずれも、日頃受けられない知的な刺激を受けて、大変有意義だったとする感想が目立ちました。
次回は、10月7日(土)に岐阜大学の山口未花子先生による「カスカ族に学ぶ、動物と話す3つの方法」です。お楽しみに!
文責:理科主任