令和7年1月17日(金)阪神淡路大震災から30年経ちました。追悼行事は震災から学んだ教訓を再考する機会となります。本校の様子をお知らせします。
以下、教頭から生徒へのメッセージです。
「ただいまから、阪神・淡路大震災の追悼行事を始めます。1995(平成7)年1月17日,午前5時46分、私たちが今までに体験したことがない大きな地震が兵庫県南部を襲いました。わずか20秒にも満たない揺れは、大きな災害をもたらし、6,400人を超える尊い人命や大切にしていた多くのものを私たちから奪いました。震災当日、氷上高校の教職員住宅で寝ていた私は、その時、背中から激しい衝撃を感じました。地震があったことは情報としてありましたが、JRが止まっている中、氷上高校では通常どおり学校が始まりました。そして1限終了後、授業を急遽取りやめ、生徒は下校となりました。この時初めてテレビで神戸の町が燃えている状況を目にし、ただの地震ではないということに気づきました。この震災では、氷上高校職員の家族が震災に遭い、丹波から水や食料、ビニールシートなど支援物資を届けるため、日々、神戸まで長時間をかけて往復しながら授業されていた職員の姿が印象に残っています。その後、氷上高校では震災ボランティアを募り、生徒が月2回ほどポートアイランドの仮設住宅まで支援物資や花を届けるなど住民との交流を重ねました。やがて、仮設住宅に住んでいる方を氷上高校の農場に招待するなど、約2年間に渡って継続されました。この活動は、当時の氷上高校生徒と職員が、震災に遭い仮設住宅で暮らす人たちに、生きる喜びと意欲をもたらしました。氷上高校の記録にも残らない些細な話ですが、現実にあった話として記憶にとどめていただければと思います。今日の追悼行事は、命の尊さ、助け合うことの大切さ、友達と笑いあえること、当たり前に日常を過ごすことの喜びなど、多くのことを改めて考える機会にしたいと思います。今年は阪神淡路大震災より30年。災害の記憶継承は30年を境に難しくなるという「30年限界説」があります。兵庫県民として、震災から得たもの、気づかされたことを忘れることなく、人としての在り方、生き方を考えていきましょう。それではこれから、この震災で犠牲になられた方々に謹んで哀悼の意を表し、黙祷を捧げたいと思います。」
このメッセージの後、全生徒、全職員で黙祷を行いました。今日を機に有事に備える力をますますつけていくことを願っています。