2月19日(木)の総合学習では、園田学園女子大学の大江 篤先生をお招きして講演会を行いました。テーマは「<不思議>歴史学 -怪異学の技法-」です。3年次での課題研究につなげるため、「学問とは」「研究の方法」などについてお話をしていただきました。
歴史学を研究する方法では、過去の人々が残した情報をいかに読み解き分析していくのかということが重要です。ただし、あいまいな情報ではなく「5W1H」に基づく情報をきちんと記しているものが1級史料(資料)といえるでしょう。また、課題研究のテーマ設定など、身近な地域にもさまざまなテーマに使えるものがあるので、疑問に思ったものを使用することが良いでしょうともお話しされました。
さらに、学問研究の一例として、「怪異学(妖怪)」についてお話をされました。たとえば、「ぬりかべ」という妖怪はどんなイメージでしょうか?民俗学者の柳田國男によると伝えられているのは「夜道を歩いていると急に行く先が壁になり、どこへも行けぬことがある。それを塗り壁といって怖れられている。…」と記述のみです。このような記述を「げげげの鬼太郎」の作品で水木しげるさんは独自にイメージをふくらませて描いているそうです。また、最近はやっている「妖怪ウォッチ」の「むりかべ」にも登場します。このように江戸時代に伝わる地方の妖怪伝説を学問として柳田國男が研究をし、現代の漫画やアニメーションが描くなどさらに発展をつづけています。今回の講演会では「妖怪」というテーマだけでも様々な研究ができることを教わったと思います。
課題研究で、みんなどのようなテーマを設定するのかが楽しみです。
(文責:総学担当)