防災避難訓練を通して命を守る力を育む

令和7年7月17日(木)3時間目、防災避難訓練が実施されました。雨が静かに降る中、生徒たちは体育館に集合。兵庫県という地に暮らす私たちにとって、災害は決して遠いものではありません。阪神・淡路大震災から30年が経った今も、あの日の記憶は多くの人の心に深く刻まれています。

訓練後、校長先生からのお話がありました。

「私は阪神・淡路大震災のとき、自宅で被災しました。東日本大震災ではボランティアとして現地に赴き、学校現場での被災状況についても直接話を聞きました。災害が起こった時、地域において高校生に期待されているのは、小さな子どもやお年寄りに寄り添い、支えることだと思います。学校であれば先生の指示がありますが、商業施設など学外で被災した場合は、自分自身で判断し、行動しなければなりません。だからこそ、日頃から意識して行動してほしいのです。」

話の途中、校長先生は静かにマイクのスイッチを切りました。そして「災害時には電気が止まることもある。実際に被災した学校では、日常から『体育館に入ったら一言もしゃべらない』という習慣を徹底していたことで、非常時にも静かに落ち着いて行動できたそうです」という体験談を話されました。体育館に、校長先生の声だけが静かに、しかし力強く響き渡ります。雨音さえも遠く感じるほどの静寂の中、生徒たちはその一言一言に耳を傾け、心に刻んでいました。

災害はいつ、どこで起こるかわかりません。今日の訓練は、ただの「練習」ではなく、「命を守る力」を育む大切な時間でした。自分の命を守るだけでなく、周囲の人を思いやる心を持ち、行動できる人へと成長していくことが、私たちに求められています。

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