北高 校長室から 015 「里山づくり」#1
ついに今年度の「里山づくり」が始まりました。
その前に、「里山づくり」とは一体何なのか?
神戸北高の「里山づくり」は、18年前に始まった息の長い行事です。
始まった経緯や当初の目的は、現在のそれとはかなり違っていましたが、本日はそのお話は置いておきます。
「里山」と聞くと、本校の裏手方向にある本当の山裾あたりかと思えますが、そうではありません。
本校から徒歩わずか5~6分の、住宅地の中にある一画なのです。
確かに、その一画は、まさに「里山」なのですが、そこは、昭和30年代後半から40年代前半にかけて、唐櫃台一帯が住宅地へと開発されていった中で、現在に至るまで、ぽつんと元の山の状態のまま取り残された土地なのです。
その「里山」と呼ばれる土地に、北高生が年に6回程度出かけ、整備に協力したり、植物や昆虫の保護をしたりするのが、「里山づくり」事業なのです。
因みに、県教委の「高校生ふるさと貢献活動事業」に位置づけています。
左上の写真では、学校前にある「布土の森」の前を歩いていますが、この「ぬのどの森」は、別の機会にぜひ触れたい歴史的な場所です。
年に6回程度実施すると書きましたが、殆どの回は、各部活動が分担して参加し、作業をします。
しかし、今回は総体の週で部活動では人手が足らず、1年生の特色選抜入学者20名が参加しました。
毎回、地元のボランティアの方々にお世話になって作業をしています。
中には、初回からずっとお世話くださっている方もおられます。
感謝と同時に、本当に頭が下がる思いです。
ボランティアの方々は、非常に熱心に丁寧に教えてくださいます。
本校生は、「ボランティアに来ている」というよりも、「ボランティアの方々に里山について教えてもらいに来ている」と言った方が正しいかも知れません。
植物の名前等についても教えてくださるのですが、本日は、整備作業をする前に、この土地で以前から保護している「ササユリ」について、その見分け方などを教えてくださいました。
文字通り、笹にとても似ているこの植物、花が咲いていない今、特に見つけるのは困難なことが多いのです。
「ササユリ保護区」として、ロープを張り、面積が同じ正方形の区画が4つ作ってあります。
生徒は4班に分かれ、区画内に何本のササユリが自生しているかを調べる作業から始めました。
最初の左上の写真にはササユリが写っているのですが、分かるでしょうか。
このササユリはつぼみがあるので、まだ分かりやすいですが、もっと小さなものだと、本当に笹と区別がつきません。
教えていただいているばかりでは、「里山づくり」とは言えません。
後半では、北高生は、倒木の整理と草刈りの作業をしました。
次回は、7月20日(土)に実施の予定です。
★神戸北高校が2003年度から実施している「里山づくり」については、北高サイト内のこちらのページをご覧ください。
兵庫県立神戸北高等学校
校長 長澤 和弥