平成28年6月28日 創造応用ⅠL 講義「パナマ文書」

本校同窓会館ゆ~かり館において、本校未来創造コース2期生(2年)文系選択者を対象に、大阪大学大学院国際公共政策研究科 准教授 ヴァージル・ホーキンス氏をお招きし、パナマ文書にみるグローバルな課題についての講義をしていただきました。

初めに、タックスヘイブンのイメージを、風刺画やジョークを交えて説明して下さり、今年の4月に話題となった“パナマ文書の公開”から見えてくる世界の格差と貧困の要因について、わかりやすく教えていただきました。最後には、これらの問題を解決するためにはどうすればよいのかを班で話し合い、発表しました。どの班の意見も正論ではありましたが、実行するためには様々な障害があることをヴァージル先生に指摘され、より深く考えなければならない難しい問題なのだということを改めて感じさせられました。

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〈生徒の感想〉

今回は、予習するまではまったく知らない話題について学んだので、得ることが多かったです。パナマ文書については、「タックスヘイブン」といったキーワードをただ知っているというだけで、意味についてはほとんど知らないことばかりでした。それらの知らないキーワードについて正しく理解することだけではなく、それらに関連する先進国と貧困国の格差についての話や、現在のODAの支援額では貧困国を救うだけの額をまったく満たしていないということ、不法資本流出によって貧困国がさらに苦しんでいること、その問題にはタックスヘイブンが関連していることなどの様々な話を聞くことが出来ました。また、フェアトレードは実はフェアではないという話はとてもショッキングでした。フェアトレードはただ「公正」、「フェア」なトレードを行っているというだけで、国際的な貢献をしているというわけではなく、ただ当たり前に行われるべきことがようやく当たり前に行われるようになっただけである、という考えさせられる話だと思います。

私は、毎朝電車に乗ったらニュースを見るようにしています。時間がなかったら一番大きいニュースだけでも。しかし、今日学んだ“パナマ文書”については、全くと言っていいほど知りませんでした。それほど、大々的に取り上げられなかったニュースだったのです。私は、昨日の予習の時点でパナマ文書というニュースに大変興味をもちました。同時に、「どうしてこんな大事なことを、約三か月の間、知らずに過ごしていたんだろう。」と思いました。今日、ヴァージル先生の授業を受けて、なんとなく理由がわかった気がします。それは、「報道局に十分な情報がいっていなかった。もしくは、報じたくない何らかの理由があった。」のではないかということです。十分な情報というのは、まだ、パナマ文書の全てを調査局も手に入れていないのだと思います(内部告発者など…)。パナマ文書には日本企業の人物の情報もあったと学びました。これは私の勝手な考えかもしれませんが、報じにくく、上の人に流される部分もあるのではないかと思いました。世界の格差について学ぶ中で、世界人口の20%の最富裕層が世界の富の94%を所有しているということに驚きました。格差がそんなにも大きいとは全く知りませんでした。少しでも格差を縮めるためには、乗り越えなければならない壁がたくさんあります。その方法は、すぐ思いつくほど単純ではありません。じっくり考えて、また、いろんな人と意見交換してみたいと思いました。

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