本校講堂において、本校未来創造コースと創造科学科の生徒、県内の中学生、保護者、全国の学校関係者、一般の方を対象に、「グローバル化する社会で高校生に求められる力とは?」をテーマに、第6回未来創造シンポジウムを開催しました。まず、未来創造コース1期生(3年)および2期生(2年)が、来場された方々に向けて、これまでの研究についてポスターセッションを行いました。
続いて、下記の要項でプログラムを進めました。
1 基調講演「グローバル化する社会で高校生に求められる力とは?」
大阪大学大学院国際公共政策学研究科 松繁 寿和 教授
2 学校設定教科「創造」の取り組み(生徒発表)
① グローバルリサーチ「ベトナムおよび日本産野菜類の抗酸化活性」
普通科グローバルリサーチ受講生のうち、ベトナム研修参加者(3年生)
② 創造基礎(社会科学分野)「銭湯で外国人と交流しよう!!」
未来創造コース2期生(2年) 社会科学研究2班
③ 創造基礎(自然科学分野)「蛍光X線による原子の分析」
未来創造コース2期生(2年) 自然科学研究1班
④ 創造応用ⅠL「Reformation of employment requirement in Guatemala」
未来創造コース1期生(3年)*英語による個人発表
⑤ 創造応用ⅠS「ミドリムシに聞く! ~あんた環境指標なれるん?~」
未来創造コース1期生(3年) 生物研究班
3 パネルディスカッション「グローバル化する社会で高校生に求められる力とは?」
司 会:未来創造コース1期生(3年)
パネラー:大阪大学大学院国際公共政策学研究科 松繁寿和教授、未来創造コース1期生(3年)2名、未来創造コース2期生(2年)2名、創造科学科1期生(1年)2名
生徒のほかに、200名を超える方々に参加していただきました。県内をはじめ、遠くは長野県からも足を運んでいただき、誠にありがとうございました。
〈生徒の感想〉
今日のディスカッションは、僕にとっての最初の創造科学科での活動でした。そこで僕は初めて、「答えのない問題」に直面しました。今日参加した7人はそれぞれ違う考えを持っており、どの考えも間違ってはいないと思います。答えを出すことは出来なくても、それについて議論し、考えを共有することに意味がある。「答のない問題に取り組む」というのは、まさにこういうことだと実感し、その難しさも痛感しました。今日はこうして、「創造」の授業への第一歩を踏み出せたと思います。これからはまず目の前の「創造基礎」にしっかり取り組んでいこうと思います。(創造科学科1期生)
グローバル化する社会で求められる力について考えた。松繁教授は、日本の文系人材、特に法律や経済に精通した人材が少ないため未来産業がなくなってしまうと仰っていた。またグローバル社会で英語力は不可欠、そして日本語に価値を貯めなければ世界を相手に戦えないとも言われた。これからは国籍や文理の枠を超えた取組みが重要であると改めて認識した。この学校ではそれらに十分取組むことができる。これから多くのことを経験し吸収して、自ら未来を創造していける人になろうと強く思った。(創造科学科1期生)
シンポジウムは松繁先生のお話にあった「当然の英語力」という言葉にグローバル化した社会を感じた。先輩のプレゼンはどれも圧巻で今後あのようなプレゼンが作れるか不安もあるが先輩方を越えたいと思った。同輩のパネルディスカッションも凄かったので彼らに負けないように生活したいと思う。(創造科学科1期生)
私は松繁先生の少数派を尊重しなければならない理由というのにとても納得しました。「真理は少数派から始まるから」というのがとても刺激的でした。日本人は少数派を除いてしまう民族であるというのは、私も日本で生活していて大いに実感しています。そして自分がそのように動いてしまうことがあることも実感しています。私はそれをとても恥ずかしく思いました。松繁先生はあらゆることに対して批判的に関わっておられました。私はそういう人をとても格好いいと感じます。私も現代社会のあらゆる矛盾に気づいていける人間になるべく、たくさん勉強していきたいと思います。(創造科学科1期生)
「創造」の授業を受けて1年経ったからか、昨年よりも松繁先生のお話からたくさんのことを学べた。その基調講演で印象に残っているのは、日本のグローバル化レベルと英語力についてだ。「技術力はあったが、経営力はなかった」という過去の日本企業の失敗に私は衝撃を受けた。それは日本のグローバル化の遅れを物語っていると感じる。日本に閉じこもるのではなく、世界に目を向け前進し続けることが求められるのだと思った。また、先生のお話の中にブルガリアから来た留学生が出てきて、彼女はインターネットを使って、独学で英語を学んだと聞いた。どんなに苦しい状況でも自ら努力しようとしている姿勢に私は感動した。英語は今や当然のツールだ。世界中の人々が身につけようとしている。私ももっと頑張らないいけないと強く思う。(未来創造コース2期生)
昨年、私は主に「見る・聞く」といった受け身の立場でしたが、今回のシンポジウムは発表者としても参加しました。まさか1年後に同じ場所で自分が発表しているとは昨年の自分は予想もしていなかったので、前に立ったときは不思議な気分でした。実際に発表したときは緊張していましたが、今まで取り組んできた研究について無事伝えることができたと思います。基調講演では、グローバル社会における日本の現状と語学力の必要性などについて再確認できました。私自身ももっと英語を学ばなければならないと感じました。創造の取り組みについての発表についても、どの班もそれぞれ全く異なった分野について調べられていてどれも興味深いものでした。今回も、多くのことを学べました。(未来創造コース2期生)
パネルディスカッションで司会を務めました。難しいテーマの中で、どう高校生が議論するかをたくさん考え、春休み中にも考え込むことがよくありました。そのことが役に立ったのかは分かりませんが、自信を持って話を進めることができたと思います。本番は緊張もしましたが、意外と時間が短く、もっと長い時間でやりたいと思いました。(未来創造コース1期生)
松繁先生のお話では、「日本はまだまだなんだ」と思わされました。英語はもっとできないといけないし、他の言語にもこれから挑戦していかないといけないんだと実感しました。また、ディスカッションでは、もちろん同期の生徒の意見は、さすがと思うことだったのですが、1年生の女の子の「これから誰よりも努力して、誰よりも失敗して、誰よりも成長して、胸を張って卒業できるように頑張りたい」という言葉について、帰宅してから、シンポジウムに来ていた母と、「あんな風に言えるぐらい勉強を頑張りたい」といった話をしていました。後輩の言葉に感銘を受け、私も負けていられないと刺激をもらうことのできた会でもありました。(未来創造コース1期生)
今回、パネラーとして参加しました。人前に出るのはやはり緊張しましたが、これを克服するためには場慣れするしかないないなと思いました。パネルディスカッションは話がどんどん転がっていったため、自分が話したかったことはあまり話せませんでした。あの時もう少し別の言い方をすればよかったとか、あのとき手を挙げていればよかったとか、今思えばあの発言に対してこんな反論ができたなとか、後悔はたくさんありますが、とりあえずパネルディスカッションを経験出来てよかったです。(未来創造コース1期生)