神戸大学出光佐三記念六甲台講堂において、コース1期生3名とグローバルルサーチ受講生2名が、神戸大学法学部主催「神戸模擬安保理大会」に出場しました。元国連事務次長の明石康先生の講話のあと、今回は「国連創設70周年記念提案」をテーマに安保理の各国代表がスピーチや動議をおこない、議長案の修正を提出し、採決を行いました。今回は議決には至りませんでしたが、「休憩時間」と称する交渉時間で、各国代表が動き回って議論をする姿は非常にエキサイティングでした。本校生徒はナイジェリアとチャドの2国代表として出場し、チャド代表は「ベスト訓令賞」を受賞しました。以下は生徒の感想です。
ナイジェリア代表として参加した今回の模擬安保理大会、個人的にはとても収穫がありました。まず1番印象に残っているのは、他国との交渉です。早い段階でイギリスと協力できたのは良かったのですが、他の常任理事国と話を詰めなかったために失敗してしまいました。どこの国との交渉をどの順序で進めるかなど、頭が回っていなかった点も多かったです。また、核兵器などのナイジェリアとはあまり関係ない話題では、どう出ていいかわからなかったところもありました。それぞれの主張を通すことで、より複雑化していく議題に振り回されました。また、他国の世界情勢の知識の差や英語力にも舌を巻きました。どこも賢さが垣間見えて、私たちは根本的に力不足だったとも思えます。英語も大事、ニュースを見るのも大事、まだまだ届いていない問題点も多いなと思いました。でも、今日1日参加してみてとても楽しかったです。法学部に入ったらずっとこれができるのかとワクワクしました!70周年で何も決まらなかったのは残念ですが、得たものは大きいです。
昨年、決議案を最後の最後まで粘ったものの採択できなかった心残りがあったことから、今年はもう1度非常任理事国として、決議案を必ず採択することを目標にしていました。そのためにまずは自国の利益のためにポイントを絞って交渉し修正してもらい、その後は決議案の採択のために他国の中立をとっていきました。結果としては今年も決議案は採択できず、昨年と同じ悔しさを残すこととなりました。1年前に最優秀賞である明石康賞を頂いた時にはよく分かっていない私を先輩がすごくリードしてくださって準備から当日の判断力や行動力まで全てにおいて自分の力不足を実感せずにはいられませんでした。そんな先輩のようになりたいと準備などをしてきましたが、今回賞を取ることができませんでした。昨年は準備も不十分でしたが、今年はその反省をもとに自国のことをはじめ、各項目についてや他国のことも調べたので積極的に自信を持って交渉ができました。また今まで「創造」の授業などで学習してきた積み重ねが自分の引き出しを増やしていたことにも気付けました。グループで特に役割分担をしていた訳では無いのに1人1人が考えて動けていてとても良いチームワークでした。今回の模擬安保理大会で結果は残せなかったけれど、1年前の自分と比べて準備から当日の行動力や判断力において成長できたと感じられたこと、「創造」での学びが自分の引き出しを増やしていたと気付けたこと、そして誰かに頼るのではなく自分の力で交渉出来たことが自信になりました。もっと上手く立ち回っていたら、あの提案をしていれば、最後に決議案が採択出来たかもしれないとか賞に届いたかもしれない、という悔しさは残りますが、今回得られたことを機会があれば次の模擬安保理や模擬国連、その他の学習や研究につなげていきたいと思います。最後に参加させていただきありがとうございました!
今回はナイジェリアとして参加した。要領を得ていた分はやはり大きく、下準備の訓令作成や打ち合わせはスムーズに進み、先輩が居なくても主体的にできたのは素直に嬉しかった。昼前までの前半戦は固くて積極的とはとても言えない姿勢だった。午後から気持ちが本格的に上がってきて、他国が中心になって動いている案でも存在感を残したいと思い、積極的に交渉に出られた。また、多くの修正案の中で、慎重になりすぎることが無かったこと(これは仲間の二人のお陰によるところが大きい)自国の利益だけでなく、一歩引いて客観的に見ながら判断できたのも成果だと思う。詰めの交渉で流れを汲み違い、常任理事国の賛成が得られていない現状に気付けなかったこと、その時点から支持している案に強くとらわれない発想が確信を持ってできなかったことは大きな反省点だ。私にとって、積極性が出て、慎重さといいバランスの姿勢で挑めたのは全体的な良かったところだったと思う。一方で、立場に縛られすぎない考えができなかったのは悪かった点だ。課題としては、もっと相手の立場を理解した上での「仲介」だ。去年より主体的に活動できたからこそこの役割で尽力できたと思う。一極の立場だけでなく、その間に近い立場でも主体的に立ち回れることを目指したい。
今回、模擬安保理大会に参加して思ったことが二つある。一つ目は国際問題に取り組むことは、果てしないようで結構身近なことであるということである。今回はシミュレーションではあったが結構リアリティがあった。このことより、もしかしたら国際問題とは高一の「創造基礎」の社会科学の研究を、地域を変えてしているだけなのかもしれない。正直今回のことからわかったことではないのかもしれないが国際問題の話し合いの現場をシミュレーションとはいえ何も大差ないのかもしれない。まあ、実際の国連では国の利益にかかわることなので適当にはできないのだろうが…。二つ目ははじめて会う人と即座に意見を交換し共に答えを見つけることはとても難しいということだ。去年も同じことを思ったが、やはり初めて会う人とは喋りにくいし、お互い気を使いあってしまう。しかし、この世界ではそう少なくない出来事のはずなので、将来このような国際的な仕事に就いたときには、さらに多くの人々と交流して意見交換をしなければならないなと思った。同じチャド大使のパートナーには訓令からスピーチまで色々と頼りっぱなしだった。自分の力でできたことは一体なんだったのだろうか?なんて思ったが、あの場に行って行動したことが自分の成長に繋がるのだとわかった。