京エコロジーセンターにおいて、グローバルリサーチの生徒2年1名、1年5名が、京都大学大学院准教授 辻村英之氏による「ルカニ村のフェアトレード・プロジェクト ~小さな農が未来を照らす 社会的意義とその役割」の講演に参加しました。ルカニ村の伝統的家族経営農業や小規模農業のエコシステムとしての優位性(アグリフォレストリー)、キリマンジェロコーヒーのフェアトレードの取り組みとその課題についてお話をいただきました。コーヒーもご馳走になり、フェアトレードについて理解を深めました。以下は生徒の感想です。
今回、京都大学の辻村先生にルカニ村の伝統的な小規模農業の優位性と環境保全性、資源循環性とフェアトレードの成果・課題についての講義をしていただきました。一般的に遅れていると思われがちなアフリカの小規模な家庭経営が、世界的なアグロフォレストリーとして注目されていることや、コーヒーの実を収穫してから日本に輸出する豆が選別されるまでの詳しい経緯を僕は今まで知りませんでした。その経緯を知った後、ルカニ村産のキリマンジャロコーヒーを飲ませていただきました。すっきりとしていてとても美味しかったです。ですが、コーヒーは価格と収穫量の変動が毎年大きく、特に2001~2002年度のコーヒー危機により、子どもが学校を休学せざるを得なかったり、森林伐採が進行したりし、教育面でも環境保全面でも危機になり、若者を中心に転作、街への出稼ぎが増え、コーヒー産業そのものが危機に陥りました。フェアトレード・プロジェクトは消費者が支払うコーヒー代金の一部を産地に還元することでその危機を改善してきてるとのことでした。今回のお話から僕が思ったのは、いろいろな事象は様々な理由が絡みあって起こっているのだろうなということでした。例えばルカニ村では、2、300年前からあった灌漑制度が4、5年前に涸れ、凶作を引き起こしたのですが、それが涸れてしまった理由は「地球温暖化でキリマンジャロの万年雪が溶けたからかもしれないし、その頃にドイツの支援で立派な水道が作られたからかもしれないし、コーヒー危機の時の森林伐採で保水力を失ったのかもしれない。どれかひとつこれが原因とは言えない」とおっしゃっていました。他にも今回のテーマでは、理由がひとつしかない事象といいたものはほとんどなく、そのことから僕はそう思いました。とても有意義な講義で、今回のテーマに関する内容に関心が高まりました。