本校同窓会館武陽ゆ~かり館において、普通科グローバルリサーチⅠ受講者(1年)35名を対象に、三ツ星ベルト株式会社の人事部長 倉本信二氏に「地元企業の海外進出とその課題~グローバルリーダーの資質」をテーマに講義をしていただいた。初めに三ツ星ベルトの概要と海外進出の現状についてお話を頂き、実際に三ツ星ベルトのインドネシア工場であったトラブルについて、ディスカッションした。その後(1)「グローバル人材」とはどんな人材なのか、(2)「グローバル人材」になるためにはなにが必要かについて、グループで話し合った。各グループ発表の後に、倉本氏から補足説明をいただいた。
〈生徒感想〉
日本企業の海外進出とグローバル人材について、とても貴重なお話を聞くことができました。その中で私が一番印象に残ったのは、日本企業が海外進出をしている主な2つの理由のうちの1つで「海外には大きな市場がある」というお話です。私はそれを聞くまで、日本が大きな市場を求めて海外進出しているというのを知らなかったので、すごく驚きました。なぜなら、日本の市場は大きいと思っていたからです。日本にも外国から沢山の企業が来ているし、技術が進んでいると言われている国なので、当然市場も大きいものだと思っていました。ですが、自分でも調べてみると海外の市場はとても大きいことが分かり、日本ももっと市場を広げると国内の産業の活性化につながるのではないかなと思いました。また、グループワークの発表で私が一番興味を持った班は「グローバル人材になるには何が必要か?」の問いに「愛」と定義をした班です。ほとんどの班がもっと具体的で現実的な発表をする中「愛」という抽象的な定義は面白いと感じました。
今回の授業で正直初めて「三ツ星ベルト」さんを知りました。三ツ星ベルト誕生の歴史の中で出てきた近代ゴム産業発祥の地が神戸というのも初めて知りましたし、その前はマッチ産業が盛んだったことも初耳でした。そんなゴム産業のレジェンド三ツ星ベルトの売り上げの約半分が海外での売り上げで、主力の工場の4分の3が海外でベルトを生産しており、従業員数も半分以上が海外の人で年々増加していることに驚きました。こんなにも海外がメインになってきているとは思いませんでした。グループディスカッションでは、グローバル人材について話し合いました。私は「適応力」がとても大切だと思いました。どんな所に配属されても、その土地の文化の違いなどを受け入れ場にすぐに馴染み、常に学びにつなげていける人がこれからの会社には必要です。今自分がしている仕事だけでなく、常に自分から学びを探して吸収し、自分のスキルアップにつなげていくことができる。そして、たくさん経験して活用できる、そんなグローバル人材になりたいです。
これからの時代、私たちは海外に派遣されて働くことが当たり前になると聞き、SGH事業の重要性を改めて感じました。私は三ツ星ベルトさんを初めて知り、自分の知らないたくさんの会社が世界で活躍していることを知りました。今まで目を向けてこなかった「製造業」に、もっと関心を持ってみようと思いました。また、三ツ星ベルトさんで実際に起こったトラブルから、グローバルリーダーに必要なことを学びました。現地での適応力、意欲や積極性、粘り強さ、そして心身ともにタフであること等が必要であると同時に、笑顔、あいさつといった根本的なことが工場を運営する上で以上に大切だと知りました。これらは、普段の学校生活で意識すれば身につくと思います。普段のクラス活動、部活動、委員会や行事などで、積極的に意欲をもって行動し、将来世界で活躍するグローバル人材になりたいと思いました。
神戸は「マッチ産業の衰退」を逆手にとって「ゴム産業の繁栄」を手に入れたという事がすごく面白く感じた。マイナスなところを1つのチャンスをきっかけにプラスに考え、行動した神戸を誇りに思う。三ツ星ベルトさんは日本での生産量、労働者数が海外に比べて割合的に少ないのに売上高は海外よりも高い。これらのグラフより海外進出したい気持ちを理解した。実際に今まで起こっている現地法人でのトラブルには驚いた。私たち日本人からすると考えられない問題だからだ。こういったところが異文化であると思った。だからこそ従業員をしっかり教育することが大切だと思った。三ツ星ベルトの中国工場では日本人から始めたあいさつ運動が中国人にも広まったという話を聞いて、人が人を見て学ぶことが一番早く仕事を覚え、進められると思った。違いを受け入れることはそう簡単なことではないが、海外研修などチャンスがあれば私も参加して自分の思うグローバル人材になりたい。
私たちが日常の中で使っているのは既製品であり、それを提供するのはサービス業なので、モノ作り業は目にすることがほとんどない。そのためか、三ツ星ベルトという名前は地元企業だというのに聞いたことがなかったし、神戸が近代ゴム発祥の地であることも知らなかった。海外にどんどん進出しているのはそのような生産業だと思う。進出先で発生するトラブルを考えて、理由や解決策を探すのはすごく興味深く、他の人の意見を聞くことで新たな発見があり、自分の案が少し変わったりもして、すごく勉強になった。こういったことをなるべく多く繰り返していくことで「グローバル人材」に必要な適応力や違う価値観を受け入れて、自分の考えをよりよくする力が得られると思う。なので、グループワークは「グローバル人材」を育てるのに必要なのだなと思った。