本校武陽ゆ~かり館において、創造科学科4期生(1年)を対象に、「資金調達を学ぶ金融教育」をテーマに、講義とワークショップを行いました。この授業は神戸財務事務所の職員と本校教諭が共同で作成した企画で、当日は講師として理財課調査官の石川賢一氏をお招きした。石川氏から金融システムの機能と金融機関の種類について講義をしてもらい、その後「シェアキッチン事業」の資金調達先についてワークショップを行った。公民科の新科目に「公共」が加わることとなり、「金融の働き」について金融は経済主体間の資金の融通であることの理解を基に、金融を通した経済活動の活性化について学習することとなっている。今回の授業は資金調達をシミュレーションする学習とした。
〈生徒感想〉
資金調達の方法はいろいろありますが、どれもメリット・デメリットがあるということです。例えば、今回の資金調達では銀行から融資を受ける場合は早く資金を調達できますが、その分元金+利息を返済する必要があります。一方、クラウドファンディングでは、経営への介入がなく、うまくいけばたくさんお金を集められますが、返礼品のコストがかかったり、アイデアが公開されるなどのデメリットがあります。そこで、これらを組み合わせるというのも1つの手だということがわかりました。また、アイデアが公開されるというデメリットを広告代わりとなるというメリットに変えることもできるという新しい視点も必要だと感じました。
複数の資金調達方法を併用すれば、それぞれの短所を補うことができて効率よく資金を集められると思っていた。しかし、それらをしてしまうと1つ1つの手続きが大変だったり、1つでも集められなかったら目標金額にお金が届かなかったりと問題が多かった。また、複数で集める場合には、方法によって集まる時間に差があるため、集める順番を考える必要があり、現実的ではなかった。
出資にせよ融資にせよ、経営者はまず貸し手の信頼を得ることが最優先であると思う。投資家・銀行の立場からすれば、経営者の略歴と売上高のデータの信憑性を見てその人物を判断しているだろう。そのため経営者は売上高の根拠となるものをしっかりと提示する義務があると考える。
財務局の方がおっしゃっていたように、最も大切なことは「信用を得ること」だと思う。事業の見通しがたっており収入を見込める状態でないと誰も応援してくれないので、思いつきで企業なんてできないことを今日でよくわかった。成功すると信頼してもらうために、状況を見極める力が必要だと思う。そしてその良い状況をいうのは自ら宣伝したり、募金を募るなどして自分でつくっていかないと絶対に訪れないと思う。信用を集めるために様々な努力が必要だ。