フエで2日目の朝を迎え、昨日に比べて強い日差しを浴びながら、研修をスタートさせた。まず最初に、フエ市民の台所ドンパ市場を訪れ、ベトナム独特の雰囲気を味わい実験で使うサンプルを購入した。市場ならではのにおいに苦しむ生徒も見られたが、精力的に売り込む高齢者の姿も印象に残り、ベトナム人の生きる力からエネルギーをもらっていた。
その後、フエ医科薬科大学に移動し、環境問題班、食品衛生班、生物資源班に分かれて、フエ医科薬科大学の先生、今回同行していただいている大阪大学大学院薬学研究科の院生さんの指導のもと、実習を始めた。環境問題班は、サンプリングした水の調査を実施し、簡単な検査キットを用いてCODや亜硝酸態窒素、リン酸態りんの値を測定し、水質状況と環境について実習を行った。食品衛生班は、昨日の薬剤耐性菌の現実を受け止めながら購入した魚や肉に含まれる大腸菌や腸炎ビブリオを測定する準備を行った。生物資源班は、購入したにんにくを細かく刻み、エタノール抽出にて成分を分析する準備を行った。各班研究過程は異なるが、いずれも今ベトナムで起こっている社会問題に目を向け、解決していくための研究に繋がる実験とあって、興味深く前向きに実習に臨んだ。
大学内で簡単に昼食を済ませ、少し早めにフエ空港に向かった。日本並みの(?)高温多湿に悩まされ、食欲が湧かない生徒もいるようだが、空港での待ち時間で少しリラックスでき、全員で元気にハノイへ向かった。
ハノイでは、フエとは全く違う街の様子に興味津々で、バスからの車窓風景を楽しんでいた。特に、よくニュース等で目にするハノイ中心街のバイクの様子にはかなりの驚きを隠せなかった。夕食はバイキングで、ややフエ料理に悪戦苦闘していた生徒も柔らかい表情でディナーを楽しみ、今回の研修のヤマ場となる明日のフィールドワークに向けて英気を養っていた。