平成30年5月15日 創造基礎B FW 「三浦化学工業」

三浦化学工業所において、創造科学科3期生(1年)の1班5名が「地場産業の靴をいかした隠れヲタクグッズを作ろう」をテーマにして、同代表者の三浦泰一氏と企画担当の中川亜衣氏からお話を伺った。長田のゴム産業からケミカルシューズが生まれた歴史や震災の靴メーカーに与えた深刻な打撃、現在の消費者志向や流通経路などについて話していただいた。また、工場も見学させてもらい、靴の製造工程について詳しく知ることができた。

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<生徒感想>

三浦化学工業所さんは昭和38年創立で長田の中でも歴史ある靴工場だ。当初から靴作り一筋であり、それは三浦さんにとって強みでもある。現在従業員は21名。昔は紳士靴も作っていたそうだが、今は婦人靴のみ製作している。販売は主に商社を通して行っており、以前そのルートでスヌーピーとハローキティとのコラボを果たしている。しかし、以前その商社があったため途中で挫折した案件もあった。靴の素材は、最初はゴムから始まった。その後硬くて扱いづらい塩化ビニルの代わりに加工しやすいビニル、合成皮革が登場したことで一気に需要が増えた。今では様々な生地で作ることができる。今回はサンダルの製作過程を見せていただいた。まず型に甲のベルト部分を巻きつけて糊付けし、温めて型の形に布を整える。次に底を糊付けし、機械で上下から押さえてしっかりくっつける。更に踵部分にネジを一本締めて固定し(ブーツの場合は釘を4、5本打つ)、中敷を入れるなどの仕上げ作業をして完成だ。工場には様々な色と大きさの箱が積まれており、それらはそれぞれ出荷先が違うそうだ。震災前は、長田は活気ある職人のまちだった。それが震災によって壊され、それを見た企業が注文を中国や東南アジアの国々に頼むようになってしまった。そのため長田の靴は注文が減り、人も離れていってしまっている現状を三浦さんは課題であると考えている。三浦さんの希望は、いいものを好きに作って売ることだ。商社抜きで、直売をしたり、海外進出も考えている。震災前と変わらぬ技術力を示し、長田の靴のブランドを取り戻したいという三浦さんの想いを受け止め、これからの活動に活かしていきたい。

カテゴリー: SGH(学科3期生), 創造科学科3期生   パーマリンク

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