平成30年2月13日 グローバルリサーチⅠ FW「『薬剤耐性』に関する講義」

WHO神戸センターにおいて、「薬剤耐性」をテーマに探究活動をはじめた普通科グローバルリサーチⅠ受講生(1年生)5班の5名が、薬剤耐性に関する講義を聴講しました。サミットでも取り上げられ、世界的な脅威となっている薬剤耐性に関する基礎知識を教えていただいた後、厚生労働省のアクションプランについて学びました。生徒たちは、課題設定を行う上で、厚生労働者のアクションプランをはじめ、WHOや世界銀行のサイトで提示されているデータや政策を研究していくことが大切であることがわかりました。

DSCN8543 DSCN8534

〈生徒の感想〉

予習段階ではあまりよく理解できない部分もありましたが、先生から話を聞いているととてもわかりやすく、とてもよく理解できました。特に、どういった場所で薬剤耐性が拡大しているのか、何が大きい原因なのかを詳しく聞くことができたのでよかったです。ベトナムのメコン川流域での拡大や農産物、畜水産物から人体への拡大など、とても広い分野での問題となっているので、拡大の現状を知り、自分たちがどういった面から研究をすすめていくのかとても考えることができました。また、日常的なことから薬剤耐性の問題が発生しているとわかったので、個人の知識を増やす普及啓発運動の面でどのようにすると全員がしっかりと理解できるのかなど考えてみたい課題が見えてきたので、これからの研究にこの講義を存分に生かしたいです。

私たち、薬剤耐性菌研究班ははじめてフィールドワークに出かけました。WHOという誰もが知っている有名な所だったので少し緊張しました。予習として、坂部先輩の論文や、厚生労働省のHPを見ていました。しかし、勉強しはじめたばかりなので難しいこともあり、理解に苦しむことがありました。特に専門用語を理解するのに時間がかかりました。しかし、高校生サミットでの先輩のプレゼンなどの映像を見ていると、自然と、自分たちもこういう風になりたいなあと思いました。WHOに行くと、ジュネーブの時計があって世界を感じることができました。今回、1番学べたことは、最先端の薬剤耐性菌についての取り組みです。事前学習では難しいと思っていたことも、茅野先生にわかりやすく解説していただいて、以前よりも理解を深めることができました。この体験を通して、これからの研究にも生かしていきたいです。

今回の滅多に体験できないWHO訪問を通して学んだことは大きく2つあります。1つ目は僕達がまだしっかりと“薬剤耐性菌”について理解できていないことです。WHOの方に質問されたときに困らないようにと大前先生が資料を用意してくれたのですが、内容が難しい上に量が多く、すべてを理解できていませんでした。訪問日当日、理解ができていないことでWHOに行くことにとても緊張しました。案の定、質問されて的確に答えられず、もっと勉強しておけばよかったなと少し後悔しながら講義を受けていました。これからは薬剤耐性菌についての知識をしっかりと身につけなければならないなと感じました。2つ目は薬剤耐性菌の脅威についてです。予習しているときに、ある程度は目を通していたのですが、改めて話を聞くと、世界各地で多くの人が治療法が無くなってしまった病気に苦しんでいるという現状にとても悲しくなりました。そういった人を今後増やさないために、自分達になにができるのかを真摯に考え、その対策方法をたくさんの人に知ってもらうための努力をしようと考えました。これからの研究活動はもっと積極的に取り組めるように心がけます。

・AMRはG7の課題の1つになるなど、世界的な問題になっていて、解決策を早急に見つける必要がある。
・畜産に抗生物質を予防目的で投与するのはいいため、必要以上の抗生物質を投与され、畜産物に耐性菌ができると、それを口にした人間に耐性菌が移る可能性がある。
・AMRが広まる理由①病院から、②衛生環境・下水設備が悪い地域から、③家畜などから、人にAMRが移る→後々、病気になったとき抗生物質が効かない可能性がでてくる。
・今、AMRが原因で亡くなる人、年間2万人→2025年には1千万人になると予想(経済被害は1京円)
・AMRとその研究はいたちごっこである。AMRを減らす小さな一歩としては抗生物質を使わないこと。ヨーロッパには抗生物質をあまり用いない国があるのでAMRの広がりが小さい国がある。
今回、訪問する前にAMRについて予習をしていましたが、話の内容が難しく、WHOで話を理解できるか心配でしたが、具体的な例を出していただいたり、意見を出していくような形にしていただいたりしたので、AMRについて、少しではありますが理解できました。自分が想像していたものよりも深刻で早急な対策が必要である世界的な問題だということが分かりました。今後AMRについて研究するにあたって、もっと深く、専門的な知識を増やしていく必要があると感じました。そして、狭い視野ではなく、広い視野をもって、様々な方向から研究テーマを考え、研究していきたいと思いました。

薬剤耐性菌の研究班として初のフィールドワークで行ったWHOでは、基本的な薬剤耐性菌についての原因や危険性について学べた講義でした。普段の薬の使い方と家畜の飼い方という2つの原因があって、その2つを世界中の人々が理解して意識しないと、二〇五〇年には世界全体で1京円の被害を出し、1000万人の犠牲者を出すという危険度を知りました。基本的なことをしっかりと教えていただける講義でしたが、知識が不足している僕らにとってはとてもためになる興味深い講義でした。ここで得られた知識から発展させていって、今後の課題や僕らの目標を決めていきたいと思います。

カテゴリー: グローバルリサーチ   パーマリンク

コメントは受け付けていません。