創造科学科1期生(2年)の理系28名は、創造応用ⅠSの時間において探究活動を始めました。探究活動の科目は、前年度と同様の「数学・物理・化学・生物・都市工学」の5科目となっています。生徒たちは、1学期の創造応用ⅠSの時間に受けた講義や実験・実習をもとに、科目を一つ選び、より専門性の高い探究活動を行っていくことになります。
<数学>
本校学科準備室において、数学を選択した4名を対象に、本校教員がテーマ決定のための話し合いを実施しました。少人数であることをいかし、大学のゼミのような形で行うことにしました。一人ずつホワイトボードに立って、これからどんなことを研究したいかというテーマについて語ってもらい、それに対してどのような方法が考えられるか、テーマについての問題点は何かなどを教諭を含めて全員で議論しました。このような形式の授業はまだ経験が浅いのか、最初はややぎこちないところもありましたが、一人30分程度の割り当てが足りなくなるくらい議論が白熱し、とても有意義な形になりました。
<物理>
本校HR教室において、物理を選択した生徒8名を対象に、本校教員がテーマ決定のための話し合いを実施しました。夏季休業中に課題として考えてきたテーマ案を出し合うことで、合計約50のテーマが出てきました。各テーマについて、課題研究としての妥当性や実現可能性に関して議論し、生徒自身が興味をもって取り組めるもの、限られた環境の中で実現できると考えられるものを選び、10のテーマに絞り込みました。
<化学>
本校化学教室において、化学を選択した生徒6名を対象に、化学1回目の活動を実施しました。今年もご指導いただく神戸大学大学院理学研究科准教授 大堺利行氏に来校していただき、夏休みに課題としてまとめた電池についてのプレゼンテーションを行いました。6名がそれぞれ異なる電池を調べ、大堺先生の前で限られた時間で説明しました。大堺先生からいくつか質問を受けながら、全員でそれぞれの電池について共有し、来週実験する泥電池に向けて、主体的に事前学習をすることができました。
<生物>
本校生物教室において、生物を選択した生徒5名を対象に、本校教員が探求活動のための授業を実施しました。まず、各自がヒドラおよびグリーンヒドラについて調べたレポート内容を簡単に紹介し、その生物的特徴と飼育法について学びました。次に、miniスマホ顕微鏡について、神戸大学大学院理学研究科準教授 洲崎敏伸氏の説明書をもとに、古いPCのレンズを取り出し、miniスマホ顕微鏡を作成しました。
<都市工学>
本校資料室において、都市工学を選択した生徒5名を対象に、大阪大学大学院工学研究科環境・エネルギー工学専攻教授 澤木昌典氏をお招きし、初顔合わせとして、それぞれの自己紹介から授業を開始しました。本年度の取り組みとして、澤木先生から「町並み景観の印象評価と音楽の印象評価との相関検証(仮題)」という大きなテーマが提示されています。本時の前半は、澤木先生の方から、澤木研究室で取り組んでいる学生の論文を2本、先行研究として紹介していただきました。1つ目は「町並み景観のデザインと音楽」、2つ目は「通り景観に対するリズムの感じ方」という研究テーマでした。また、澤木先生からは生徒に対して夏季課題が3つ出されています。本時の後半では、その1つである「探究活動をどの方向で進めたいか」という問いへの回答を順に発表していきました。それぞれの意見や考えに対し、澤木先生からご意見やご指導をいただき、探究活動のテーマ設定に向けて考えを深めていく生徒らの姿を見ることができました。