本校学科コース準備室において、「機能性植物の評価」をテーマに課題研究を始めたグローバルリサーチⅠ受講者(1年)の2班5名を対象に、兵庫県立大学環境人間学部教授 村上明氏をお招きし、「ベトナムにおけるSGHプロジェクトの概要」の講義を行っていただきました。また、この講義をもとに、今後の研究方針を提案しました。
〈生徒の提案〉
1.村上先生の講義でわかったこと
・ ベトナムの野菜は日本よりも受けるストレスが多く。それが原因で機能性の高い植物になる可能性がある。
・ 植物を評価する手段には、抗酸化試験や抗炎症試験がある。他にもあるが、実験するのは現実的には難しいものもある。
・ 漢方薬は素材を乾燥、酸化などすることによって作られる。その過程で薬効も変化している可能性がある。
→漢方薬よりも元の素材のほうが、薬効が強いかもしれない。逆もありえる。
・ 軽い毒物をあえて体内に取り入れることで、デトックス効果が現れることもあり得る。
・ ベトナムの野菜の抗酸化作用のグラフ(値)は平均すると日本と変わらないが、特に作用の低いものを取り除けば、もっと高くなる。
2.研究の方向性
4つの案がでました。
① ベトナムで人気のある料理に使われている野菜の機能を評価し、分析する。これだけだと独自性がないので、この野菜を日本料理に生かす。
② どのようなストレスを与えると植物の機能はどう変わるか、また、機能性のある成分を効率よく増やすにはどうすればよいかを調べる。これによって、ベトナムの野菜を再現してみたい。再現方法として、日本にもともとある野菜を、環境を変化させることによってベトナムの野菜に近づける。または、ベトナムから野菜の種を日本に持ち帰って、ベトナムに近い環境を作って、ベトナムの野菜に近づける。以上の二つの案がでている。
③ ②の再現方法で作った野菜を使ってベトナム料理を作る。野菜を自分たちで作るのが現実的に難しければ、現地から取り寄せるか、日本のベトナム食材を売っている店で買ったものを使う。
④ ファイトケミカルスープを作る。ベトナム産の色々な食材を組み合わせて、スープを作り、どの野菜の組み合わせが一番おいしく、健康によいかを調べる。