平成29年2月11日 創造基礎B・GRⅠ・GRⅡ「第4回高校生『国際問題を考える日』」

神戸国際展示場2号館において、創造科学科1期生(1年)10名、グローバルリサーチⅠ受講生(1年)29名とグローバルリサーチⅡ受講生(2年)3名が、G7神戸保健大臣会合推進協議会・兵庫県教育委員会・大阪大学・WHO神戸センター共催の第4回高校生『国際問題を考える日』に見学者として参加しました。このイベントには、本校を含めたSGH指定11校(県内8校・県外3校)およびSGHアソシエイト指定2校を加えた、計34校、約600名が参加しました。その内の25校、84タイトルが参加するポスターセッションを見学しました。また、国際的な取組を行う団体等との交流の場として、約30の企業や法人組織によるブース出展やミニ講演が開かれており、今後取り組む課題研究のための情報収集を行うことができました。イベント内容の詳細は以下のとおりです。

《基調講演》

「国際社会で活躍するには -国際機関勤務と研究者としての経験から-」

大阪大学大学院人間科学研究科教授
大阪大学東アジアセンター長(海外拠点上海オフィス)
日本国際保健医療学会 常任理事  大谷順子氏

「21世紀の保健課題 -感染症と非感染症ダブルバーデン-」

WHO神戸センター テクニカル・オフィサー  茅野龍馬氏

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《パネルディスカッション》

テーマ「高齢化社会を踏まえたこれからの日本」
座 長  :WHO神戸センター 上級顧問  野崎慎二郎氏
パネリスト:4名(尼崎稲園高校・洲本高校・龍野高校・葺合高校)

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《ブース出展・ミニ講演》

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《ポスターセッション》

本校生の発表についてはこちら

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《講評》

大阪大学全学教育推進機構 特任講師  柿澤寿信氏


〈生徒の感想〉

今日の「高校生国際問題を考える日」では、とにかく多くの講演、ポスターセッションに参加できたのがよかった。講演、ブースでは来年研究するテーマのヒントを多く得られ、また高校卒業後の進路を考えるにあたって参考になるものもあったと思う。ポスターセッションでは発表していたのは主に2年の人だったが、やはり自分達よりうまいと感じた。質問や補足も詳しく、しっかり理解して説明しているのが感じられた。そして、自分達が同じようにまとめるときに、大切な目的と結論をはっきりさせることや参考資料の引用の仕方、論理立てて納得させる方法などを見ることが出来たので、来年の参考にしたいと思った。

「国際問題を考える日」でさまざまな国際問題について知ることが出来た。基調講演やプレゼンテーションを聞く中で一番気になったのが高齢化の問題についてである。地球上で最も高齢化が進んでいるのが日本なのにも関わらず、相応の対策は取れずにいる。パネルディスカッションでは、高齢者と呼ぶ年齢の引き上げや高齢者が働ける環境づくり等の議論がなされた。中でも自分を高齢と思っていない65歳以上の割合は非常に多いと聞き、危険だと感じた。いくら自分は元気だと言っても体は衰弱していく。例えばバスの運転手の試験に合格した高齢者が多くの人を載せたバスを運転するとする。試験に合格したからと言ってずっと元気でいるとは限らない。もし急性の病気になってしまった時。このような問題を考慮すると、やはり高齢者が働くことには限界があると考えた。高齢化は、「正解のない問題」の1つであると思う。どの国よりも高齢化が進む日本が、良い対策を実行し、他国の手本となれれば良いと思うし、高齢化についてこれからもっと深く考えていきたいと思った。

パネルディスカッションでは、創造の授業で学んだ高齢者についての発表を聞き、改めて重要な問題だと感じた。高齢者と呼ばれる人の中にはまだまだ働ける人もいるのに、高齢者=働けないという考えが根付いていることが分かった。社会では若者の労働者を必要としている。私もこの状況を変えたいと思った。適材適所に若者と高齢者と呼ばれる人たちを分けて働いてもらうためにはどうすれば良いのか、もっと考えることも研究テーマの一例として考えていきたい。色々な企業や団体のお話を聞かせていただいたが、どの団体にも共通していることが「世界の人々のため」ということだと思った。子どもや母親の命を守るため、健康を守るため、偏見をなくすため…様々な「人々のため」で成り立っていると感じた。自分の研究にも「人々のため」という観点を取り入れていきたいと思う。ポスターセッションでの大切なことは、自分の調べたことから派生したものまで細かく調べ、自分の考えを多く持つことが大切だと感じた。質問に的確に答えるためには自分が色々なことを知らないといけない。そして自信を持って話すことで、相手により伝わりやすくなるはずだ。これからの研究に活かしていくことのできることばかり学ぶことができた。

「国際問題を考える日」で最も強く感じたのは、自分の知識不足と、研究への考えの甘さです。私は2年生から始まる文系の個人研究がとても楽しみです。しかし、どこか甘い考えがあり、それではいけないということを思い知らされました。展示ブースで企業や団体の方とお話ししていて、自分の知識がどれほど浅はなものか気づきました。そして、たった15分のポスターセッションのために手元に置かれている資料の多さ、質問への的確な応答は、自分の想像を遥かに超えるものでした。もっとたくさん本を読んで、普段から自分の興味分野について具体的なことを考えるようにしようと思いました。

私はテラ・ルネッサンスの方の「子ども兵」に関連するミニ講演会が印象に残っていて、今まで「紛争被害者の社会復帰支援」と言われても何のことかピンと来なかっただろうけど、子ども兵が大人になっても村で元通りに暮らすには障害があることなど、実際に支援に携わった方だからこそ知っていることや体験談を聞いて本当にこんなことが起きるんだと驚いた。ポスターセッションでは、自分の班の研究テーマと関係するテーマで発表しているチームがあって、これから自分の班のテーマの絞り込みやどういう分析をするのかを考えるのに参考になると思った。今回発表を聞いて、ある課題を解決させたいという意欲がますます湧いてきた。

僕が今日特に印象に残った話が茅野さんの高齢化についてのお話です。経済の発展に伴う平均所得の上昇により受けることのできる医療サービスが良くなり、平均寿命が長くなり、高齢化が進む。さらに今まで感染症での死亡率が高かったのに生活水準の向上により生活習慣病にもつながるというように芋づる式にそんなところまで悪影響が広がっていくということにとても驚きました。またパネルディスカッションについても、高齢者に対して一方的にサービスや保障を行うだけでなく、高齢者の「生きがい」としての職を与えるという社会に関わっていくチャンスを作らなければならないという視点は面白いなと思いました。その影響で高齢者として分ける境目を変えなければならないというのも理解できました。また、最後のポスターセッションでは詳しく調べ、分析できる人はしっかりと質問に答え、説明も分かりやすかったです。自分もこれから研究していくうえで様々なもので調べ、そのうえで筋道をつなげてまとめていきたいです。

研究テーマの“企業の海外進出”について、特にベトナムについて専門の方からも、生徒の発表からも聞けました。ベトナムで上下水道の整備をしている方から、「ベトナムを発展させるにはまず水を綺麗にしないと始まらない。そのお手伝いを日本人がする。」と聞きました。また、生徒の発表からは、ベトナムと日本では時間がルーズだとか、感覚の違いが何より難しかったと聞きました。思っているより難しい問題だと思いました。それらをすべて解決するのは無理でも、良くできることもあると思うので、研究を進めていくのが楽しみになりました。ミニ講義で、外国人の方が「留学は絶対した方がいい」と言っていて、今まで以上に留学や外国に興味が湧きました。経験者からの話はとても説得力がありました。

ベトナムに進出しているアシックスさんや神戸製鋼さんにも話を聞けましたし、名刺も交換して頂いたので「企業の海外戦略」というテーマで研究する僕たちにとって貴重な時間だったと思います。初めて知る言葉も多く、すごく勉強になりました。そして、パネルディスカッションやポスターセッションで同じ高校生が自分の研究したことを発表しているのには、かなり刺激を受けました。どのポスターも説明に一貫性があって、グラフや絵もそれを補足する形で見やすくつけられていました。多くの人の前で発表するには自分の考えに大きな自信を持ってどんな質問にも答えられるよう、そのテーマについて深く知っておかなければなりません。僕もいつかの発表のために、できるだけ多くの情報を入手し、自分の考えを明確にしておきたいと思いました。

カテゴリー: SGH(学科1期生), グローバルリサーチ, 創造科学科1期生   パーマリンク

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