4月14日(火) 探究Ⅱ 特別講演

 4月14日(火)、神戸大学 石川慎一郎教授による「探究テーマ設定について」の講演が行われました。

 石川先生は冒頭で、活動の成否はこのテーマ設定でほぼ決まると強調されました。そして、良い探究には「オハイオ」という4つの条件があることを示されました。「面白い」「初めて」「意味と意義がある」「驚きがある」という条件です。

 はじめに、「面白さ」や「驚き」はどのように生まれるのかについてお話されました。人は、まったく知らないことにも、すでに知っていることにも驚くことはできず、自分の中にある「知っているつもり」が揺さぶられたとき、はじめて知的な驚きが生まれるという説明がありました。先生はこれを「知的な膝カックン」と表現され、自分の認識がアップデートされる体験こそが探究の原動力になると話されました。

 また、「初めて」を生み出す方法として、テーマを徹底的に小さく具体的にすることの重要性が示されました。抽象的なテーマではなく、身の回りの事象に目を向け、数や時間をかけて調査することが、高校生にしかできない独自の探究につながるというお話でした。

 さらに、「意味・意義」を持たせるためには、研究成果を一般社会に還元できる形にすることが重要であると述べられました。実際に試行し、提案として形にし、それが他者に受け入れられることで探究の価値が生まれるという視点は、生徒にとって新鮮なものでした。

 講演の中では、探究を進める具体的な行動指針として「4C+1E(Count・Compare・Consult・Collect・Experiment)」も紹介されました。数える、比較する、専門家に聞く、多くの意見を集める、実験するというこれらの行動は、調べ学習を探究へと変えるための実践的な手立てであることが示されました。

 講演の終盤では、批判的思考の大切さについても触れられました。無関心で非協力的な聴衆を想定し、その人たちを動かせる論理や証拠を準備することが、本当の意味で社会に届く探究につながるというお話は、生徒の心に強く残った様子でした。

 生徒の感想では「寿司という具体的な内容から言語学や心理学、理学など様々な学問分野に関連付けてテーマの設定ができることに驚きました。これからテーマ設定をする際には、小さな対象を元に自分の興味のある分野と関連付けた上で探究活動を進めていきたいと思います」と、これからの活動に意欲を示してくれました。

 今回の講演をとおして、生徒は「何を調べるか」ではなく、「どのように問いを立てるか」が探究の出発点であることを学びました。この学びは、これから本格的に始まる探究活動の大きな指針となったことと思います。お忙しい中、貴重なご講演をしていただいた石川先生、誠にありがとうございました。

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