STEAMⅡ特別講義「渋滞を科学する」―シミュレーションでわかる渋滞解消術―

関西大学総合情報学部教授 友枝明保氏による特別講義を受けました。渋滞という身近な現象を、数理モデルとシミュレーションを使って考える楽しい講義でした。

 最初に提示された数字が、12兆円。これは1年間で渋滞による経済損失だそうです。「渋滞というと?」の問いに、担当者は高速道路の車の列をまず思い浮かべましたが、高校生たちがグループで意見を出し合う中では、体育館の出口やトイレの列、インターネットの繋がりにくさまで、種類が多岐にわたりました。待つ時間は気持ち的にも長くて解消したいと思いますが、経済的にも損失なら解明したい。渋滞だらけの世の中を、渋滞学の力であらゆる渋滞の解消を目指す!というのが特別講義の入口でした。そこからは、渋滞を計算する数理モデル、渋滞の定義と基本図、セルオートマトンのマスターと演習を交えながら分かりやすく進めていただきました。一番単純な渋滞のモデルとはいえ、セルオートマトンを紙の上で書いてみると、渋滞の動きやその解消術までが再現されました。実際の渋滞はもっと複雑な要因が絡み合うということでしたが、このような数理モデルとシミュレーションにより、データが実際に取れない渋滞と解消術を計算により解明する意義もお話しいただけました。身近な現象に情報や数学がいかされる本日の講義は、この先探究を進めるうえでも是非考えたい内容でした。

探究推進部 佐藤

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