「再生可能エネルギーと数学」
土木エンジニア 佐藤郁氏(一般社団法人 オフショアウインドファーム事業推進協会 代表理事)

7月16日(水)3,4校時に2-5HSTEAMⅡの授業で、土木エンジニアの 佐藤郁氏による特別講義がありました。土木エンジニアとして携わってこられた数々の大きな建造物を見せていただき、そこには数学の知識を基盤に使っているということをお話しいただいた後、実際に自分たちのタブレットからエクセルを開いて計算をしてみました。
題材は、豊岡高校の屋上に設置されている太陽光発電の発電量と豊岡市の豊岡特別地域気象観測所の日照時間データから散布図を作成して回帰直線を計算し、さらに将来の発電量を予測するというものでした。実際に散布図を描いてみると、回帰直線から外れているとみられるデータが見つかり、その原因を考察しました。また、回帰直線にふさわしい式を数学Ⅱの知識を使って計算しました。回帰直線の特定から将来のデータを予測して発電量が割り出されることも目の当たりにしました。身近な実際のデータ分析から教科書を少し超えた考察まで、貴重な経験になりました。
最後に、佐藤氏が手掛けられた実際の膨大な量のデータ分析から世の建造物が開発されていることを教えていただき、ご自身の研究人生と「間違いを見つけ続けることで百万分の一の研究の成功にたどり着く」というノーベル賞吉野章さんの言葉の引用から、未来の科学者や技術者へ大切なアドバイスを頂きました。
現在ご活躍の開発者からの特別講義を受けて、生徒たちの良い刺激になったと思います。生徒たちの探究活動がより深く進められていくこと、また、この中から未来の技術者が育つことも願っています。