平成28年7月25日 ベトナム研修旅行2日目(B班)

ベトナム研修2日目のB班(未来創造コース2期生20名)は、午前はWHOベトナムを訪問し、大阪大学の大学院生と一緒にWHOスタッフから講義を受けました。まずDr Scorro Escalante氏からWHOベトナムがベトナム政府と協力してどのような持続可能な医療システムを構築しようとしているのかについてお話しをしていただきました。ベトナムでの課題として、二人っ子政策による急速な高齢化に伴う生活習慣病の増加、中間層増加に伴う医療サービスの質向上の要求、職業病、TPPに伴う医療のグローバル化などが上げられました。次にDr Emanuel Eraly氏からベトナムの僻地における医療アクセスの再構築について、医療の人材育成と同時にどのように医療従事者を配置するのかを紹介していただきました。そして、Dr Masaya Kato氏から感染症に対する予防や隔離など介入方法について、特に2003年のSARSをもとに迅速かつ有効な介入の重要性と2005年にまとめられた国際保健規則(IHR)の運用の必要性を教えていただきました。さらに、Dr Gawrie Galappaththy氏からマラリア感染のメカニズムやベトナムをはじめ東南アジア地域での改善の現状などについてお話しをしていただきました。最後に改めてEscalante氏から薬剤耐性菌(抗生物質に耐性をもつ菌)発生の背景について、抗生物質の自己投薬や半端な使用、家畜への不適切な使用を上げ、感染経路が院内感染と食品や環境を通した感染の2通りあることを教えていただきました。英語による講義で生徒は苦戦していましたが、大阪大学大学院の住村欣範准教授の解説を交えながら、WHOベトナムの取り組みについて概要を知ることができました。

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午後は国立栄養院において、SATREPS(薬剤耐性菌の発生機構の解明と食品管理におけるモニタリングシステムの構築)というプログラムのうち、多剤耐性菌(薬剤耐性菌のうち、多くの抗生物質に耐性がある菌)の調査研究とモニタリングシステムの構築の現状について講義を受けました。まず、日本のODAによって設置された検査機器を、スタッフや大学院生の説明を聞きながら施設見学しました。続いて、Ha Thi Tuong Van氏から多剤耐性菌のモニタリングシステム構築について英語で講義をしていただきました。まずモニタリンシステムは、多剤耐性菌の拡大メカニズムの解明と食品に含まれる多剤耐性菌の監視体制、モニタリングを遂行する人材育成を目的にしていることを説明していただきました。次にハノイ郊外のBaVi県Chu Minh村におけるモニタリンで明らかになった、多剤耐性菌のうちおもなものとしてESBL産生大腸菌の感染経路と、その菌がどの抗生物質に耐性を持つのかについて教えていただきました。そして、Chu Minh村で実施した衛生指導の教育効果について、また、ハノイ、ニャチャン、ホー・チ・ミンにおける2014年から2015年にかけての監視結果を話していただきました。ここでも大阪大学大学院の住村欣範准教授に解説をしていただきました。最後に院生に指導してもらいながら、本日の振り返りをしました。

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夕食後、タンロン水上人形劇場にて伝統芸能を見学し、ハノイ旧市街を自由散策しました。明日は、午後の講義にあったChu Minh村のVinh Phe地区にてフィールドワークを実施します。

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